新製品以外に、SOAというキーワードで販売を強化する予定なのは、ポータルです。先ほども申し上げたとおり、ポータルはSOAを具現化する手段として非常にわかりやすい。ワールドワイドで見るとポータルの売り上げがかなり増えているので、国内市場でも海外のSOA事例を紹介しながら、WebLogic Portalの有用性を訴求していく戦略です。ここでも、「実例をいくつでも紹介できる」という当社の強みが活かされるでしょう。ほかにも、先ほど挙げたようなサービスも充実させていく予定です。
--どんな企業でも迅速にサービスを立ち上げられる仕組みが整ってくると、企業ごとの差というのがますます見えにくくなりますね。
そのような見方もできますが、だからといって企業ごとの差がなくなることはないと思います。というのは、SOAに載せる“サービス”をどう考えるかは企業の戦略であり、そこに時間を割く基盤が整った、ということですから。全部の企業がWebLogicを使っているからといって、全企業が同じになるわけではありません。むしろ新規サービスを迅速にデリバリーする基盤が整った分だけ、企業はますます資源を戦略に集中できるようになるわけです。こうして作り出すビジネスの形は企業特有のものであり、各社の特長がより浮き彫りになるでしょう。
当社が標榜している「Liquid Computing」というコンセプトがこの状態を表しています。Liquid Computingとは「ビジネスのあり方によってシステムの姿を自由に変えることができる」という意味です。これが今後の企業システムの姿であり、SOAが目指すのもまさにこの点にあると思います。