NTTが光ファイバで1000波長の多重化に成功

日川佳三 2005年03月08日 18時31分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 NTTは3月8日、敷設済みの光ファイバに1000波長を多重化する伝送実験に成功したことを明らかにした。波長間隔は6.25Ghz。伝送帯域は2.67Gビット/秒×1000波長で2.67Tビット/秒に達する。5年後には実用化を検討するフェーズに入る。

 1000波長の多重化は政府が推進するe-Japanの重点項目である。今回の伝送実験に用いたネットワークは、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が運用する研究開発用ネットワーク「JGN II」である。京都府の関西文化学術研究都市(けいはんな都市)と大阪堂島間の往復126kmで伝送した。

NTT フォトニックトランスポートネットワーク研究部 光伝達処理研究グループリーダ 主幹研究員 工学博士 盛岡敏夫氏

 波長多重化の背景には、ネットワークのトラフィックが急増しているという状況がある。基幹ネットワークにはすでに光ファイバを敷設しており、光ファイバにより多くの情報を流すための技術として、複数の波長を使って複数の信号を1本の光ファイバに多重化するWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)を研究中。多重化する波長を増やすことでより多くのデータを伝送できるようになる。

 従来のWDMは、波長ごとに独立した半導体レーザーを使い、個々の波長間隔を他の波長に影響を与えないように精密に制御する方法を採っていた。このため、数100波長を超えるWDM伝送は難しかった。波長数が増えれば増えるだけ制御系統が増えるため、個々の波長の制御が難しくなっていくからだ。

 今回の実験で使ったWDMのポイントの1つは、スーパーコンティニウム(SC)と呼ぶ多波長光源を採用した点である。SC光源の特徴は、単一の入力信号から等間隔に並んだ1000以上の波長を一括して出せる点である。SC光源を使うことで従来の10倍に相当する1000波長を多重化するとともに、波長と波長の時間間隔を従来の8倍に相当する6.25GHzにまで短縮した。

 このほかに、SC光源による波長多重化を実現するための要因として、高密度の多波長を分離する仕組みと、電源制御などにより伝送路に発生する光のノイズを抑圧する仕組みを用意した。

 今回の技術の詳細は、3月9日に米国カリフォルニア州アナハイムで開催する光通信国際会議(OFC:Optical Fiber Communication Conference and Exposition 2005)で発表する。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
クラウド基盤

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
藤本恭史「もっと気楽にFinTech」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
米ZDNet編集長Larryの独り言
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
田中克己「2020年のIT企業」
大木豊成「Apple法人ユースの取説」
デジタル未来からの手紙
モノのインターネットの衝撃
松岡功「一言もの申す」
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
今週の明言
アナリストの視点
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
スマートデバイス戦略
セキュリティ
ネットワークセキュリティ
セキュリティの論点
スペシャル
de:code
Sapphire Now
VMworld
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell World
AWS re:Invent
PTC LiveWorx
デプロイ王子のテクノロジ解説!
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
さとうなおきの「週刊Azureなう」
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
北川裕康「データアナリティクスの勘所」
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
Windows Server 2003サポート終了
実践ビッグデータ
中国ビジネス四方山話
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化