IBM、「WebSphere」次期バージョンの概要を明らかに

Martin LaMonica (CNET News.com)

2005-02-01 13:04

 IBMが、次期バージョンの「WebSphere」サーバソフトウェアにおいて、標準ベースの統合ツールを強化すると発表した。これは、異なるシステムを統合するソフトウェアに対する、企業ユーザーの大きなニーズを反映する動きだ。

 IBMのアプリケーション&インテグレーションミドルウェア部門ゼネラルマネージャーRobert LeBlancによれば、次期WebSphere(コードネーム「Pyxis」)は、Webサービスの新しい通信プロトコルをサポートするほか、同社が先ごろ開発した機器間メッセージングソフトウェアをベースに開発されるという。名称は「WebSphere 7」となる予定で、2005年末から2006年初頭にかけてリリースされる。

 さらにLeBlancは、同社が特定の用途のためにデザインされたWebSphereを準備していることを明らかにした。RFIDアプリケーション用のものや、埋め込み型およびハンドヘルドタイプのコンピュータにデータを提供するタイプのWebSphereアプリケーションサーバはすでに開発されている。

 WebSphereとはIBMのサーバソフトウェア製品群のことで、このなかには、Javaプログラムを実行するための「WebSphere Application Server」や、ビジネス統合ソリューションの「WebSphere Business Integration」などが含まれる。このソフトウェアは、販売管理用アプリケーションや在庫管理システムといった異なるシステム間において、データ転送やトランザクションの実行を可能にするものだ。これを利用することで、ビジネスプロセスを合理化したり、進行中のオペレーションを効率的に管理したりできるようになる。

 12月31日締めの四半期におけるWebSphere部門の売上は、前年と比べて18%増増加した。WebSphereの新バージョンが12月に発売されたことも、売上の増加に大きく貢献している。しかし、LeBlancは、WebSphere部門の好業績について、IBMが競合企業からマーケットシェアを奪いつつある証拠だと強調している。

 「他社をさらに引き離して、独走態勢をとりたいと考えている。2004年末の業績に鑑みれば、今年はそれをかなえるチャンスが十分にあるはずだ」(LeBlanc)

 IBMは本年中に、WebSphere Business Integrationをアップグレードし、 WebSphere Application Serverに搭載されている標準ベースの統合ソフトウェア(Enterprise Service Bus)を強化する予定だ。両製品とも、 セキュリティやメッセージング機能に関するものなど、開発中のWebサービス仕様をサポートする予定だ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]