グローバルスタンダードとIPFで投資効率を向上--日本HP

インタビュー:西田隆一(編集部)
文:野田幾子、写真:津島隆雄 2005年04月01日 00時00分

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オープン化の波に乗り、「アダプティブエンタープライズ」をキーワードに掲げるヒューレット・パッカード。コンシューマからエンタープライズまで豊富な製品群を擁する同社だが、今後はどの分野に力を入れていくのか。日本ヒューレット・パッカード代表取締役社長である樋口氏に、現状と今後の見通しについて聞いた。

フィオリーナCEOの退任と日本での展開

--カーリー・フィオリーナ氏がCEOを退任されました。これにより日本HPにどんな影響がありますか。また、これからどういう方向に進もうということでフィオリーナさんではなくなったのか。彼女の功績も含め、どのようにお考えですか。

 ボードメンバーが意見を対立したということなのですが、本当のところは私にもわかりません。とにかく、急な話で。夜11時頃に知って、翌朝5時頃から米国とやり取りをし、9時から緊急ミーティングを開きました。とにかく、150件ほどの顧客に電話して。暫定CEOとしてボブ・ウェイマンが就任しました、彼は36年HPに勤めていて20年CFOに就き、ウォールストリートからも信頼されている。戦略、組織、製品ラインアップなどまったく変えないから安心してくれと。

 意外にもみなさん「全然心配していません、日本はそのままでしょう」とおっしゃってくださり、顧客への影響はほとんどなくて安心しました。米国のトップが舵を取る必要のあるものが、日々の日本のビジネスの中ではあまり存在しないのです。ただ、リーダー不在の状態なのでどうしても力の抜けるところはありますから、新しいリーダーには1日も早く来てほしいですね。

ITはよりフィールドへ--オープン時代の到来

--ヒューレット・パッカード(以下、HP)は、非常にハイレベルなサーバからPDAのようなコンシューマ向けの製品、ソフトウェアも含めて、さまざまなソリューションをお持ちです。例えばIBMがPC部門を売却して「選択と集中」型へと絞り込みを行っているのに対し、HPは今後どういうところへポジションを持っていき、どういう強みを発揮していこうと考えていらっしゃるのでしょうか。

 ハイエンドサーバ、メインフレームでいつまでも生きながらえることができるのであれば、ビジネス的な観点からはIBMの「選択と集中」は正しいと思います。しかし、エンタープライズ系のビジネスなので移行スピードが遅いとはいえ、今後はオープン系へとシフトしていくのは間違いないでしょう。

 加えて「ユビキタス」という動きもあり、IT化は会社の基幹系からフィールドへと広がるでしょう。そうなると、PDA、PC、ハイエンドサーバを含め、いかにトータルなオープンソリューションを提供できるかが重要になる。バリューとボリュームへのニーズに応えることは、ひとつの会社で共存できないほど矛盾してはいないと思います。そんなわけで、オープン時代の到来に備えてトータルに提供できるソリューションを持ち合わせることは、フォーカスがぼけているとは考えていません。

--日本HPの場合は売り上げの70%がサーバをはじめとする企業向け製品です。米HPでは、プリンティング事業などコンシューマに強い事業部がありますが、日本ではPCの利幅が薄く、プリンタ事業は国産が強い。今後の売り上げ比率についてはどうお考えでしょう。

 日本のコンシューマは他国とテイストが異なるために、世界規模の量産メリットを作りにくいですよね。例えば日本のPCメーカーはコンシューマ向け製品としてテレビチューナーを付けたり凝ったデザインだったりして、グローバルに展開する企業が日本のためだけに開発するのは厳しいでしょう。HPもその点は参入を慎重に考えています。

 そのほかの、世界レベルで規模の経済性が大きいものについては、思い切りアクセルを踏み込むつもりです。例えばIAサーバ。合併直後はマーケットシェアで5位だったのですが、先日金額ベースでは1位になりました。企業向けのPCも成長率では1番の伸びで、ミッションクリティカルな分野ではHP-UXが増えて成長路線に乗っています。

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