「フェデックスがやらないなら・・・」--ブログラインズによるRSSの新しい使い道

David Berlind(ZDNet.com)

2005-04-01 18:27

 RSSを使って配送中の荷物の所在を知らせるというのは、誰もが真っ先に思い付きそうなアイデアだ。しかし、 Federal Express(FedEx)、United Parcel Service(UPS)、United States Postal Service(米国郵政公社)などは、なぜかこのアイデアを採用していない。このアイデアを口にした人間がいなかったわけではない。実際に私は、今年に入ってこの「パーソナルRSS」というアイデアについて書いたことがある。そのなかで私は、オークションや荷物の追跡など、膨大な量のRSSフィード配信を応用できるサービスを数多く挙げ、RSSがどう役立つかを説明した。その時唯一分からなかった点は、RSSを使ったシステムがきちんとスケールアップして、ダイナミックに変化する--つまり、ステータスが刻々と変わり続けるような記録を1対1でマッピングできるか、ということだった。たいていの荷物が集荷から配達までに2〜3日かかることを考えると、毎日500万個以上の荷物を取り扱うFedExのような会社の場合、配送状況を伝えるのにめまいがするほど大量のRSSフィードを配信しなくてはならないことになる。

 そんなに大規模なシステムを果たして実現できるのか、と疑問を呈した時、XMLのエキスパートであるSunのTim Brayが「できる」と教えてくれた。そして今、われわれはもうすぐその証拠を目にすることになると、私はそう思っている。この証明作業をすることになるのは物流業者だけではない。Bloglinesでもこの力仕事をやろうとしているように見える。私が「パーソナルRSS」と呼んできているもの、そしてBrayが「プライベート配信」と呼んだものを、Bloglinesでは「Unique-To-Me Info Updates(私専用の情報更新)」と呼んでいる。ただし、Bloglines創業者のMark Fletcherから聞いたところでは、この機能はRSSを使ったものではないという(どうしてもRSSと呼びたければ、そう呼んでももかまわないが)

  Fletcherによると、物流業者は会社ごとに異なる、さまざまなアプリケーション・インターフェース(API)を使って、サードパーティが出荷情報にアクセスできるようにしているという。これらのAPIのなかには通常XMLベースのものも含まれており、BloglinesではこうしたXMLベースのAPIを利用している。しかし、Bloglinesの場合は、これらのAPI経由で集めたデータをRSSフィードに転換し、RSSリーダーで受け取れるようにしているわけではない。「トラッキングナンバー(荷物番号)があれば、それがそのままBloglinesにあるユーザーのアカウントに登録される。そして、いったん番号が登録されると、われわれはその荷物の追跡を開始し、ステータスに変化がないかどうかを定期的に調べる。ステータスに変化があった場合は、われわれのところのアグリーゲータに表示される」のだそうだ。もっとも、Bloglinesを使わなければ、ステータスの変化を追跡できないというわけではない。 Fletcherによると、FeedDemonのようなサードパーティ製ツールを使っても、Bloglinesからの情報をRSSフィードとして受け取ることができ、さらにサードパーティのRSSアグリゲータを利用してUnique-To-Meの更新情報を追跡することも可能だという。長い目で見ると、このアイデアが複数の物流企業の情報を追跡できるPacktrack.comのようなサービスを時代遅れにする可能性もある。

  スケーラビリティの問題についてFletcherは、Bloglinesの場合、すべての物流会社が出荷するすべての荷物を追跡し、ステータスの変化があるたびに逐一フィードを流しているわけではないので、特に問題はないとしている。「われわれは、ユーザーが追跡したいと考えた荷物だけをチェックしている。スケーラビリティに関する課題についても、特別に難しい点はなく、われわれがすでに追跡しているあらゆるRSSフィードを追跡するためにスケールしなければならない他のサービスの場合とまったく変わらない」(Fletcher)


ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]