NECと米Sun、新たに4つの協業でグローバル展開

別井貴志(編集部) 2005年04月05日 20時25分

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 NECと米Sun Microsystemsは4月5日、SIビジネスと技術開発に関してグローバル市場における戦略的提携を拡大することで合意した。

 NECの執行役員社長である金杉明信氏は「両社共に『情報システム技術とネットワーク技術の融合』というビジョンを掲げており、さらなる成長のためにそれぞれの強みを活かして約10年来の関係を新たに拡大させようと考えた」と説明し、「プロダクト中心の協業をSIビジネスやソリューションにまで広げていく」と語った。Sunの会長兼CEOであるスコット・マクニーリ氏は「何兆というデバイスがすべてネットワークにつながっていく中で、両社が技術や知識などを包括して提携することで互いに強みを発揮し、エンドツーエンドのソリューションを提供できる」と述べた。

左からサン・マイクロシステムズ社長のダン・ミラー氏、米Sun会長兼CEOのスコット・マクニーリ氏、NEC社長の金杉明信氏、NEC副社長の川村敏郎氏

 NECとSunのパートナーシップはまず1993年に遡るが、当時はSIパートナー契約で、Sunのサーバ製品を顧客の要望があった場合にNECが再販することにとどまっていた。関係が緊密になったのは2000年で、Sunのサーバ製品のOEM販売をNECが「CX5000シリーズ」として開始した。それ以来、NECが保守サポートサービスを行ったり、Sunのミドルウェア製品をOEM販売したりして、現在までにNECはSunのサーバ製品を1万台超出荷している。

 今回の提携拡大の具体的な内容は、大きく4つに分かれる。1つめは、「SIビジネスの協業」を強化する。Sunのプラットフォーム上で稼働する携帯電話事業者向けのNEC製マルチメディア・インフォメーション・プラットフォーム「NEMIP」をアジアや欧州などグローバルに展開する。NEMIPは、メールやポータル、着メロなどのサービスを実現するためのプラットフォームで、現在8カ国8携帯電話事業者への納入実績がある。

 また、NECはマルチベンダ環境でのサーバ統合ニーズに応えるため、従来のHP-UXやWindows、Linuxに加えてSunのOSであるSolaris対応のSIを強化する。そのうえ、NECはSolaris環境でもオープンミッションクリティカルシステム(OMCS)技術を確立し、グローバル展開していく。

 2つめは、「情報システム技術とネットワーク技術の統合ソリューションの協業」を挙げた。NECのIPテレフォニー製品「UNIVERGE SV7000」(SIPサーバ)と、Sunのシンクライアント「Sun Ray」を組み合わせた情報システム技術とネットワーク技術の統合ソリューションを共同で開発する。開発したシステムはNECのCRMソリューションに追加し、次世代コンタクトセンターとして市場へ拡販する。そして、Sunはこのシステムを推奨システムとしてNECと協力してグローバルに販売していく。また、Sun RayにIP電話を連動させるなど、次世代シンクライアントシステムの技術も共同で検討する予定だ。

 すでに、この協業システムには実績がある。2005年3月に両社が共同で構築したぷららネットワークスの次世代コンタクトセンターだ。シンクライアントを採用したコンタクトセンターシステムとしてはアジア最大級となる約1000席規模に拡大する計画だという。

 3つめは、「ミドルウェア製品の協業」がある。運用管理ソリューションを強化するため、NECのミドルウェア製品群「VALUMOウェア」の主要製品である「WebSAM MCOperations」、「DiosaGlobe MCOne」と、Sunの「Java Enterprise System」を構成するミドルウェア製品との接続性を検証し、連携を強化する。ミドルウェアの協業は、SPARC版Solarisからx86/x64版Solarisへ拡大していく。また、両社は個人情報保護を目的としたアイデンティティ管理ソリューションを強化するため、Sunの「Sun Java System Access Manager」、「Sun Java System Identity Manager」と、NECのPKI製品との接続性を検証し、連携を強化する。これについては、まずは4万数千人の社員を抱えるNEC自身が導入を検討する。このほか、自律コンピューティングやWebサービス等の領域における技術検討も両社で行う。

 最後に4つめは「ソリューションセンターの強化」で、NECブロードバンドソリューションセンターやSun iForce Centerなど両社のセンターを活用して、顧客に対して事前検証やデモなどを行う。

 このように包括的な協業を進めるが、この一方でNECはHewlett-Packard(HP)ともSI事業やアウトソーシングサービス事業などのグローバル展開において提携している。これについてNECの金杉氏は「サーバ関係のHPとの協業関係は何ら変わりはない。NECのソリューション戦略としては日本で培ったものをグローバル展開していきたいと考えているので、より多くのパートナーと協力していきたい」とし、「Sunは自らシステムインテグレーションをせず、技術をパートナーに売るという仕組みを採っているので営業面でぶつかる点はない」と続けた。マクニーリ氏は「そうしたパートナー、SIerで仕事がしづらいのはIBMで、NECとは非常にやりやすい」と述べた。

 また、Sunは富士通と共同で次期SPARC/Solarisサーバ(コードネームAPL:Advanced Product Line)を開発し、2006年中ばの提供を目指している。NECの金杉氏は「顧客がもし富士通のプラットフォーム・サーバでシステムを構築してほしいといわれたら、正直いい気持ちはしないがやるだろう。実際、過去にそういうケースもあった」と、SIビジネスの拡大のためにはライバル製品も取り扱う姿勢を示した。

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