開発性を高める包括的ラインアップで攻める--マイクロソフト

インタビュー:西田隆一(編集部)
文:長野弘子、写真:津島隆雄 2005年04月11日 10時00分

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クライアントからサーバまで文字通りすべてのプラットフォームを提供するマイクロソフト。バックエンドにはWindows Server 2003をベースとしてレガシーとの連携ツールやデータベースなどがあり、クライアント側にはWindows XPをはじめとして各種オフィスアプリケーションがそろっている。この統合環境を提供しうるベンダーとしての強みを生かし、エンタープライズのコンピューティング環境でますます市場を拡大しているマイクロソフトだが、そこにはいったいどのような戦略があるのだろうか。マイクロソフト 代表執行役社長のマイケル・ローディング氏に聞いた。

--マイクロソフトはクライアント向けのアプリケーションからサーバにいたるまで、包括的に製品をそろえており、企業向けのコンピューティング環境においては完全な統合環境を提供できる立場にあると思います。まず、エンタープライズ市場に対する戦略を教えていただけますか。

 われわれはエンタープライズ市場に関して、クライアント、サーバ、Webサービスを含めた統合的なサービスを提供することで、従来のプラットフォームに比べてIT運用インフラの低コストでの提供を実現しています。インフォメーションワーカーの生産性を向上するためのサービスに加えて、統合された次世代アプリケーションを開発するために不可欠な開発環境も構築しており、直接もしくはソリューションプロバイダーを通して提供しています。アプリケーション環境においては、開発コード名「Yukon」と呼ばれる次世代SQL Serverの開発、Visual Studio.NETの次期バージョンであるVisual Studio 2005(開発コード名:Whidbey)の開発に注力しており、よりオープンで柔軟性のある開発環境を提供することを目指しています。

---YukonとVisual Studio 2005にはそれぞれどのような新機能が加わるのですか。

 Yukonに関しては、64bit版Windowsを運用するうえでのスケールアップが容易にかつ低コストで行える点が挙げられます。データベースの競合製品と比べて、価格優位性は大きいと思います。また、データ分析を行うためのデータウェアハウスが統合されているので、開発者やエンドユーザーは蓄積されていく膨大なデータを分析して戦略的な決定を支援するために別のアプリケーションを使う必要がありません。さらに、オープン標準のXMLが統合されている点を強調したいと思います。

 Visual Studio 2005は、組織レベルでの開発環境を提供できるという点が既存製品と大きく異なっています。現バージョンは、あくまで個人の開発業務の生産性を上げるためのツールであり、組織レベルでの管理を行う際には異なるツールを使う必要がありますが、Visual Studio 2005では大規模なチームを要する開発において、全体的な開発のライフサイクルを考慮してチームを管理することが可能になります。

---Yukonは、マイクロソフトの製品のなかでもとくに求心力になるサーバ製品だと思います。今後は、ミッションクリティカルな分野や企業の中枢部分での利用を想定していると思いますが、同製品の強みを教えてください。

 サーバプラットフォームに関しては、ソフトウェアの購入から導入、運用、メンテナンスにいたるまでの総合的な価格優位性に加えて、さまざまな製品がひとつの環境で利用できるという統合性が一番の強みだと思います。ITの運用やインフォメーションワーカーの生産性を向上する環境、次世代アプリケーションの開発分野において、それぞれの分野での競合企業は存在しますが、すべての機能を組み合わせた統合環境を提供している企業はマイクロソフトの他には存在しないと思います。

--確かに自社製品で完結する統合性は強みだと思いますが、それはマルチベンダー環境の企業システムでどういった意味を持ちますか?

 われわれは当然、マイクロソフトの製品と他社システムとの相互運用性を確立することは非常に重要だと認識しています。したがって、Unixとの接続サービス、XMLやWebサービスプロトコルのサポート、メインフレームとの相互運用性などに積極的に取り組んでいます。戦略としては、他社製品とも相互運用し、マイクロソフトの技術で既存システムに価値を付加することを目指しています。組織のネットワークや電子メールシステム、ユーザー認証インフラなどに関して、標準化された特定プラットフォーム上で動けば、運用コストやセキュリティの面で大きなメリットを得ることができると考えています。

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