ITを物理的制約から解放、ビジネススタイルに好循環を--シトリックス大古氏

インタビュー:西田隆一(編集部)
文:岩崎史絵、写真:津島隆雄 2005年04月14日 10時00分

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情報セキュリティの分野で注目されているシトリックス・システムズ・ジャパン。同社のMetaFrame製品群は、シンクライアントソリューション/エミュレータソフトウェアとしての用途に加えて、クライアント上に重要データを保存させないという付加価値を有することでも知られている。MetaFrameが情報システムにもたらすインパクトを、同社代表取締役社長の大古俊輔氏に聞いた。

--情報の所在やそれらへのアクセスを管理するセキュリティ対策が注目を集めています。シトリックスは情報管理においてどのような解を提示しているのでしょうか。

 われわれが提唱している「アクセスインフラストラクチャ」は、必要な人が必要なときに情報を得ることができるオンデマンドなソリューションです。セキュリティでも効果を発揮しますが、それのみに特化しているわけではありません。

 やや乱暴な言い方をすれば、コンピュータの歴史は仮想化の歴史だと思います。例えば、プレゼンテーションファイルを作ると、デスクトップやフォルダを指定して「保存」ボタンをクリックします。 ビデオクリップを使った数MBあるようなファイルを保存する場合にも、ユーザーがデータセットの個々のユニットを意識することはありません。データ空間は連続しているように扱えるし、ユーザーは実際ひとまとまりのデータを扱うように操作します。従来のコンピュータであれば、システムエンジニアがストレージマップを作成し、ファイルシステムを順番に読み取りながらファイルを保存していたのです。

 メモリも同じで、OSやアプリケーションへの割り当て量を考えて起動し、プログラムを書いていました。これを解消したのが、1970年代に現れた仮想メモリという発想です。現在のPCでは、ファイルシステムやメモリなどの具体的なものをユーザーが意識する必要はありません。これは一種の仮想化といえる変化です。こうした仮想化により、ユーザーはPCで実現できる知的生産へ頭をシフトできるようになりました。

 一方、企業システムの世界で見ると、かつてアプリケーションはメインフレームという巨大なコンピュータ内に存在していました。これを自分の席から使うにはダム端末が必要でした。それでも、物理的にメインフレームの中にあったコンピュータを自分の手元で扱えるようになるというのは大変画期的だったわけです。これも仮想化のひとつの姿です。その後PCの登場によりコンピューティングパワーが身近になり、さらにインターネットとオープン環境が一般化した今日、仮想化はさらに進んだといえるでしょう。

 シトリックスのMetaFrameが提供するアクセスインフラストラクチャも一種の仮想化といえるソリューションです。PCやサーバがどこにあっても、サーバ上にあるアプリケーションがあたかも自分のPC内にあるかのように動く。どこに情報があっても、自分の手元にあるように見える。メモリや回線、ストレージ、プロセッサパワーなどを考える必要はありません。こうした仮想化技術により、仕事の進め方が物理的制約から解放されるのです。

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