--では「COMPANY」は、SAPやオラクルの製品と比較して、どこにアドバンテージがあるのでしょうか。
「COMPANY」は、大企業で必要とされるあらゆる機能を標準装備しているため、カスタマイズの必要が一切ありません。また年1回の大型バージョンアップ、年2回ほどのマイナーバージョンアップで、システムの陳腐化を防止しています。これらのバージョンアップはすべて無償。つまり、導入以降は顧客に余計なコストが発生しないということです。
--企業によっては、まったく違う商習慣を持つケースもあるのでは?
1社だけ独自な習慣というのは、ほぼないですね。4000社という大企業を見渡せば、同様のケースというのは多々出てくるものなんです。ですから、「COMPANY」の持つ機能できちんとまかなうことが可能です。ただし、一部、顧客にオペレーションの順番の変更をお願いする程度のことはあります。とはいえ、BPRの領域にまでは達しません。
SAPやオラクルの製品は、欧米を基準に作られているため、日本の大企業の商習慣に適合していません。そのため、どうしてもカスタマイズが必要になる。例えれば大きなアメ車のようなもので、日本の道路事情に合っていないんです。
もし海外製のパッケージを入れて、BPRをやるとするなら、経営の仕組み自体を欧米型に切り替え、ラインマネージャ以上の報酬を大幅にアップする代わりに、その他の社員をほとんど全員いったん解雇し、アルバイトや契約社員に切り替える必要があるでしょう。ラインマネージャ以下の現場の人間はマニュアル通りに動くことが求められる。その方が業務効率がいいわけです。
しかし日本の企業には、現場の人間を含め、どの立場でも、マニュアルなしに自らが意志決定し、オペレーションを実施する風土があります。ERPパッケージソフトは本来、その国固有の文化に合わせて作られているもの。違う習慣を持つ国で使おうとすると、どうしても齟齬が出ます。
--御社は最近では中国進出のアナウンスもされていますが、中国と日本とでは商習慣が違うのではありませんか。
商習慣はまったく違います。ただし、中国企業が経営をしていく際、業務文化のモデルは2つしかありません。それは欧米型か日本型かです。前者については、弊社の「COMPANY」の持つ機能でクリアできます。「COMPANY」はすでに外資系企業にも多数導入させていただいており、そのノウハウの蓄積があります。
また中国は、完全に欧米型業務オペレーションを採用するケースはあまり多くはないと考えています。彼らが一番目標にしているのは、実は日本の大企業なのです。日本企業は中国が目指す企業経営に、一番似ているとされています。多分、3〜4割の企業が、日本型をモデルにしています。弊社の調査の結果でも、「COMPANY」の中国企業適応率は非常に高いんですよ。
--中国以外への進出もお考えですか。
我々は中国を足がかりに、韓国、台湾、その他のアジアの国々へと進出し、「COMPANY」をアジア圏ナンバーワンERPパッケージソフトとして育てていこうと考えています。
今回、オラクルがピープルソフトを買収したことで、アメリカは完全にオラクル連合がトップシェアを獲得しました。一方で、ヨーロッパはSAPの独壇場です。アメリカのオラクル、ヨーロッパのSAP、そしてアジアのワークスアプリケーションズ。三国時代の幕開けです。
--中国ではASPで「COMPANY」を提供されるそうですが、その理由は。