ボーランド新社長、属人的なソフトウェア開発に喝

藤本京子(編集部) 2005年05月26日 19時01分

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 ボーランドは5月26日、今月1日付けで同社代表取締役社長に就任した河原正也氏の就任記者会見を開催した。

 河原氏は、1947年大阪生まれの57歳。同志社大学大学院工学部を卒業後、1972年に横河ヒューレット・パッカード(現・日本HP)に入社した。HPでは、米国本社や日本HPにて、セールスマネージャー、プロダクトマーケティング、コンサルティングマネージャーなどの経験を積んだほか、日本HPのConsulting and Integration部門バイスプレジデントや中国ビジネス統括本部長などを務め、2005年4月に同社を退社している。

ボーランド代表取締役社長、河原正也氏

 ボーランド入社を決意した理由として河原氏は、「ボーランドの提唱するSDO(Software Delivery Optimization)こそ、日本のソフトウェア産業の活性化のヒントであり、ひいては日本産業再生の道であると共感できたためだ」と述べている。

 SDOとは、ソフトウェアの開発プロジェクトを、ハードウェア開発の場合と同様、予測可能なものとするためのコンセプトだ。河原氏は、「日本が得意とするハードウェア開発には確立された製造プロセスがあり、大量生産も可能で品質も予測できる。しかしソフトウェア開発は、人に依存する開発体制で、いまだサービス開始の際にはSEが徹夜で働いている。プロジェクトが成功するかどうかも予測が困難で、保険会社もリスクの計算ができないとして補償してくれない」と述べ、日本がソフトウェア大国になれない現状を述べた。

 こうした状況で発展してきたのが、人件費の安価な国に開発を依頼するオフショア開発だ。河原氏は今後ますますオフショア開発が進むだろうとし、「他国との水平分業を行うにあたって、共通の仕組みを持ち、やり方を統一することが重要だ」と述べた。また、過去のソフトウェア開発は、ビジネス環境などの変化を前提としていなかったが、「今後は変化する状況の中で、走りながら開発を進める必要がある」とし、ソフトウェア開発における生産性や適応力の重要性を述べた。

 河原氏は、SDOを実現することで、会社やチームの人的リソースを含む全資産が一元管理でき、人材の適切な配置やボトルネックの発見が容易になるとしている。ボーランドでは、ソフトウェア開発の効率化や標準化を進めるツールを提供し、開発プロジェクトを最適化するための支援を行っているが、特にコンサルティング部門を強化すべく、1月にはコンサルティング会社TeraQuest Metricsを買収している。河原氏も、HPにてコンサルティングの経験がある人物だ。

 河原氏は今後の計画として、「急成長中の組み込み市場に積極的なアプローチを行う。そのため、組み込み市場に強いパートナーとの協業を進めると共に、これまでのパートナー経由のユーザーサポートのみならず、ダイレクトセールスによるプロセス改善コンサルティングを提案していきたい」としている。現在ボーランド日本法人の売上は、アメリカ、ドイツに次いで3位だというが、「1年でドイツを越えて2位となることが目標だ。3年後には現在の売上規模を倍増させたい」と述べた。

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