「Bagle」「Mytob」の亜種が相次いで出現--ウイルス対策企業が警告

Joris Evers(CNET News.com)

2005-06-01 16:16

 BagleやMytobの複数の亜種が、感染を広げている。だが、セキュリティ対策企業各社によると、通常通りの対策を行っている限り、これらの亜種は大きな脅威にならないという。

 MessageLabsのシニア・アンチウイルス・リサーチャーMaksym Schipkaによると、Bagleの亜種3種類が米国時間5月31日に1時間おきにリリースされたという。2004年1月に大量メール送信型ウイルスであるBagleが出現して以来、同ウイルスの亜種は70種類以上報告されている。

 悪質なソフトウェアを除去するフィルタリングサービスを提供するMessageLabsでは、今回のBagle亜種が登場してからわずか数時間以内に、これらのコピーを10万件近く受信したという。これは「膨大な量である」とSchipkaは述べる。同社によると、今回の亜種はYahoo! Groupsからのメールを装ってPCへの侵入を試みるという。

 Schipkaによると、最新のBagle亜種は、悪質なプログラムを実行するようにユーザーをそそのかすための仕掛けをほとんど持っていないという。Bagleの亜種が添付された電子メールは、件名も本文も空白となっている。メールに添付されたZIPファイルをクリックすると、複数のウェブサイトからのトロイの木馬のダウロードを試みるプログラムが実行される。このトロイの木馬はユーザーのPCに保存されている電子メールアドレスを収集し、そこにウイルスを送りつける。またバックドアプログラムを感染したPCにインストールするという。

 また先頃、Mytobの亜種も出現した。Mytobは、感染したPCにバックドアプログラムを植え付け、独自の電子メールエンジンを使って、PCに保存された電子メールアドレスに自分自身のコピーを送りつける。

 McAfeeのウイルスリサーチマネージャCraig Schmugarによると、新たに2種類のMytobの亜種が、29日と31日に1種類ずつ出現したという。

 BagleとMytobの亜種は頻繁に登場している。Symantec Security Responseのエンジニアリング担当シニアディレクターAlfred Hugerは、今回登場した亜種について、以前のものとほとんど変わらないと説明する。「幸いなことに、拡散という点では、現時点では2つともかなりリスクが低い。感染報告の数は少ない」(Huger)

 セキュリティ企業各社はウイルス対策ソフトをアップデートし、不審な電子メールに添付されたファイルは開かないよう、ユーザーに呼びかけている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]