ユーティリティコンピューティングは普及するか

Dan Farber(ZDNet.com) 2005年06月21日 18時16分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 電気のように、コンピュータ資源も必要なときに必要なだけ利用できるものになるかどうか、News.comのMartin Lamonicaが何人かの業界幹部に意見を聞いている。これについて、大多数の幹部が述べたのは、アプリケーションの種類や企業によっては「ユーティリティ」コンピューティングが効果を発揮するかもしれないが、ITの世界を一夜にして変貌させるような強力な影響力をもつようなものではない、ということだった。CiscoのCTOであるCharles Giancarloは、「(ユーティリティコンピューティングは)中小規模の事業で利用するのなら、意味があるかもしれない。だが、大企業の場合、アプリケーションを自社ネットワークの外に置くべきか中に置くべきかは、コストやネットワーク効率など、さまざまな要素によって違ってくる」と述べた。「大企業の中には、どのユーティリティコンピューティングサービスのプロバイダよりも安く、効率的に、自社アプリケーションを実行できるところがある」(Giancarlo)

 Martinは、Nick Carrが書いた記事「The End of Corporate Computing」に反対の視点に立っている。同記事でCarrは、分散化された資産としてのITから、中央配置型のユーティリティサービスへ移行することによって、過去数十年に起こったPCやインターネットの登場よりもはるかに大きく世界は変化するだろうと論じている。私は4月にCarrの記事に関するブログを書いて、やがてはコンピュータ資源も、電気のように使いたいときに使えるユーティリティになるという意見にほぼ賛成した。だが、私はこのときに、文化的、経済的な障壁がなくならない限り実現は不可能だと述べた(ITで実現される機能の多くはサービスとして提供したほうがよく、明らかにコストを削減できるという事実を踏まえて)。歴史的に見て、ユーティリティコンピューティングの普及のほうが、PCやインターネットの登場よりも意義深いものであるかどうかは、歴史家が考えるべきことだ。だが、これから数年の間にユーティリティコンピューティングを意識して、文化や技術面などの準備を進めない者は、今後の競争を有利に進めることが不可能になるだろう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
経営

関連ホワイトペーパー

SpecialPR