Windowsのポートスキャン急増--セキュリティ専門家が警戒を呼びかけ

Joris Evers(CNET News.com)

2005-06-24 10:18

 先週パッチが公開されたWindowsのある脆弱性に関連して、このところポートのスキャンが急増していることについて、専門家らはまもなく大規模なワーム攻撃が発生する可能性があると述べている。

 GartnerアナリストのJohn Pescatoreは米国時間23日、TCPポート445への問い合わせが急増しているのは、ハッカーがSMB(Server Message Block)の欠陥を悪用しようと試みている徴候かもしれないと述べた。

 「スキャンの増加したからといって必ずしも攻撃が発生するとは限らない。だが、ポートスキャンが急増すれば、それだけ(攻撃が起きる)確率も大幅に高まる」とPescatoreは述べ、さらに「ワーム攻撃の可能性が高いとは思わないが、しかしパッチの適用が甘いと攻撃にあう確率も非常に高くなる」と付け加えた。

 空き巣をたくらむ連中が有望なターゲットのドアをノックするのと同じように、インターネットの侵入者も攻撃に先立って、コンピュータをランダムにスキャンし、特定のネットワークポートが利用できるかどうかを調べることがある。

 Windowsは、SMBを利用してファイル、プリンタ、シリアルポートの共有とコンピュータ間の通信を行っているが、このSMBが使用しているのがTCPポート445だ。Microsoftは先ごろ公開した月例パッチの一部として、同プロトコルのなかに見つかった「緊急」レベルの脆弱性を修正するパッチをリリースしている。

 Pescatoreによると、過去にワームが大量発生した際にも、その前にポートスキャニングが増加していたという。Symantec Security ResponseのシニアディレクターAlfred Hugerも、ワーム出現の可能性を示唆している。

 両者はともに、ユーザーはシステムに早急にパッチを適用すべきだと述べている。

 ただし、Microsoftが脆弱性を明らかにした後で、ハッカーによるポートスキャンが増えるのはよくあることだと両者は指摘する。さらに、今回のWindowsの脆弱性は悪用するのが容易ではないため、スキャンがあったからといって、それが攻撃の前兆になるとは言い切れないという。

 SymantecはTCPポート445に対するスキャンの増加を先週確認しているが、それ以降は同ポートへの問い合わせが通常のレベルに戻っていると、Hugerは述べている。「一大事だといって騒ぐ必要は決してないと思う」(Huger)

 Microsoftの関係者は23日、TCPポート445経由でこの脆弱性を悪用しようとする積極的な動きを同社では認識しておらず、またこれに関連した悪質な行為を示唆する連絡も一切受けていないと述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]