営業日報を土台に、グループ経営の可視化を実現(前編)

小林正宗(月刊ソリューションIT編集部) 2005年08月12日 10時00分

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経営コクピット構築/デンセイ・ラムダ

デンセイ・ラムダは、2004年に経営コクピットシステムを稼働した。グループ全体の売上や利益率はもちろん、地域別や営業所別、個人別にまで達成率をドリルダウンできる。これらの複雑なシステムが完成した背景について、熊澤壽執行役員は、同一のERPパッケージの導入とSFAシステムが欠かせないと断言する。極力インテグレーションを発生させず、精緻にSFAを実行するのが成功の秘決だという。

 大企業の多くは、2000年問題を機にERPパッケージを導入。安定稼働させたことで業務プロセスの自動化を完了した。企業が次に着目したのが、ERPに蓄積されたデータの活用だ。そこで着目されてきたのが、「経営コクピット」と呼ばれるシステムだ。

 そのメリットは、大きく3つある。

  1. ERP等で蓄積したデータを使って、販売計画や将来予測、リスク回避等の経営活動に活かせる
  2. 経営層や事業部門長、部門リーダーといった各階層別に異なるデータを表示できる
  3. 何か異常があれば迅速に対応可能な「リアルタイム経営」を実現する

デンセイ・ラムダ SPS営業本部の熊澤壽SPS営業本部長兼執行役員

 これらは経営にとって大きな意味を持つ。にもかかわらず、企業の大半はいまだ経営コクピットを構築できずにいる。原因の1つは、データインテグレーションにある。

 経営コクピットを実践するには、あらゆる拠点にあるERPのデータを、EAI(Enterprise Application Integration)やETLツールで一元化し、データマートやデータウェアハウス等に蓄積する必要がある。そのデータを、OLAPやデータマイニングツール、BIツールで分析。現状を把握し、次のアクションを打つといったサイクルを回すわけだ。

 つまり、インテグレーションやツールに莫大な費用がかかる上、構築までにかなりの時間を要する。また、インテグレーションでは不整合が発生することもある。異機種が混在した環境を統一するのは、一筋縄ではいかないのだ。

 電源専業メーカーであるデンセイ・ラムダは、2004年初頭から、ハイペリオンの経営分析ツール「Hyperion Enterprise」と多次元分析ツール「同Essbase」を利用して、経営コクピットシステム「Management Cockpit」を構築。すでに安定稼働に入っている(画面1参照)。

画面1 Management Cockpit

 画面には、グループ全体の売上や純利益、受注の件数など14個の項目を表示。縦軸のバーをスライドさせるだけで、当該月時点の状態が瞬時に表示される。これは、各項目別に国別や地域別、営業所別、最終的には個人にまでドリルダウンして表示できるのが特徴だ。

 デンセイ・ラムダの熊澤壽執行役員は「現時点で、売上などをリアルタイムに表示し、これだけ精緻な経営コクピットを実践している企業は、国内にはないでしょう」と自信を見せる。成功の秘訣は、精緻に構築されたERPとSFAの両システムだという。

国内外すべての拠点に
同一ERPパッケージを導入

 デンセイ・ラムダは、99年に、ネミック・ラムダと日本電気精機が合併して誕生した企業だ。同社は2000年12月より、ERPのグローバル導入を開始。すべての拠点にSSAグローバル(旧バーン)の「Baan ERP」を導入し、全基幹システムを構築した。

 通常、会計だけは同一パッケージで統合することもあるが、生産管理には別のERPを導入するケースは多い。また、パッケージの選定を各拠点に任せた結果、種々のERPが混在している場合もある。だが同社は、全業務・全拠点をBaanで統一しているのが特徴だ。

 「ワンパッケージで全拠点に導入しないと、ERPはメリットがないと思っています。後々、データ統合でコストや工数を取られるのはナンセンスです」(熊澤氏)と断言する。

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