営業日報を土台に、グループ経営の可視化を実現(後編)

小林正宗(月刊ソリューションIT編集部) 2005年08月23日 10時00分

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 では具体的に、営業マンのプロセスを管理してグループ全体の利益率を向上するには、どうしたらいいのか?

 ある営業マンの行動を見てみよう(図4参照)。この営業マンの月間訪問数を分析すると、商談が38%、残りの62%は「その他」で占められているのが分かった。「その他」訪問をさらに詳しく見てみると、そのうちの69%が「納品」なのが分かる。この営業マンに納品を止めさせると、少なくとも商談にかけられる時間を50%アップできる。

図4 ある営業マンの月間訪問分析

 通常、営業マンが上司に「納品に時間がかかるので、業者に業務を委託しましょう」と提言しても、「コストがかかるのでできない」となる。だが、このようなデータの裏付けがあると、アウトソーシングが効果的なのがすぐに見て取れる。

 プロセスマネジメントは、次のような実体も明らかにする。図5は、破談件数を示す、いわゆる「ロスト情報」だ。一般的にこれらは定性情報なので、従来はなかなか定量化できなかった。そこでデンセイ・ラムダでは、ロストの原因を大きく5つに分類。それぞれのロスト金額と件数をはじき出した。これを見ると、「開発リソースの不足」の項目が、20件、金額にして5億8000万円なのが目をひく。「開発リソースの拡充」が経営課題であるのが一目瞭然だ。データの裏づけがあるからこそ、経営層が業務改革に乗り出せるのだ。

図5 ロスト情報の集計データ

定性情報の定量化が
SFAの成功のカギ

 デンセイ・ラムダは、従来のSFAをさらに進化させたシステムを、2005年4月に実験的に導入した。これは、ソフトブレーンとNTTドコモが共同で構築した。ソフトブレーンのSFA「eセールスマネージャー」と、ドコモの携帯電話「FOMA」端末を組み合わせたものだ。FOMAから入力できるよう、独自のアプリケーションを組み込んでいる。新システムは大きく「ポータル」と「マーケット」、「ナレッジ」から構成される(画面2参照)。

画面2 デンセイ・ラムダのSFAシステム

 ポータルは、営業マンに限らず、社内ポータルの情報を閲覧できる。ナレッジには、営業マンの行動パターンを掲載。クレーム対応や納期調整、アポイント状況、ヒヤリング情報、成果などを個人別に閲覧可能だ。カスタマーシートには、顧客情報を掲載する。会社概要から窓口担当者、過去の商談、連絡先、地図などを入力・参照できる。(画面3、4参照)

画面3 ナレッジ画面

画面4 ポータル

 マーケットは、いわゆる分析ツールだ。顧客名から過去の商談を抜き出したり、ロスト情報だけを抽出したりできる。また、継続中の案件や、年間受注予定金額が一定額以上といった条件で選び出せる。さらに、営業マンの引継ぎに際しては、コードを入力するだけで、継続中の商談情報や過去の顧客情報を一度に移行できるのが特徴だ。

 もちろんこれらは、営業マンが情報を入力しないと機能しない。熊澤氏は「SFAは、営業マンが事実を忠実に入力しなければ成り立ちません。これを実行できるかどうかが、SFAの成否を分けるポイントです」と指摘する。

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