これら3つのオープンソースプロジェクトでは、統合に標準プロトコルが利用されている。ServiceMixは、JBI(Java Business Integration)標準に基づくサーバソフトウェアで、さまざまなソースからデータを収集し処理するJavaプログラムを稼働させるものだ。CeltixはIona Technologiesが開発したプロジェクトであり、ServiceMixと同じ用途を持つが、幅広い通信プロトコル/言語をサポートするようデザインされている。またSynapseは最近立ち上げられたプロジェクトで、XMLドキュメントをSOAP(Simple Object Access Protocol)を用いて2つのアプリケーション間でやりとりする際に、作業の処理を行うソフトウェアだ。
3つのプロジェクトは、いずれもまだごく初期の段階にある。唯一ServiceMixでバージョン1.0がリリースされているが、これもつい先週のことだ。しかし、3製品が組み合わされることで、TibcoやIBM、BEA Systems、Oracle、WebMethodsといった現行の統合ソフトウェアベンダーにかかる競争へのプレッシャーは大きくなるだろう。
オープンソースに関わりのあるアナリストや技術者は、統合分野が、ほかのオープンソースミドルウェアと同じ道をたどり、将来的には現在のサーバソフトウェアプロバイダと競争するようになるだろうと主張している。
MicrosoftがLinux人気を警戒せざるを得なかったのと同じく、Javaアプリケーションサーバおよびデータベースのプロバイダも、オープンソースが自社ビジネスのローエンド部分を浸食すると考えていると、アナリストは分析する。現在では、多くの商用ベンダーがオープンソースの要素を取り入れ、低廉な製品を開発して、競争力を高めようとしている。
Forrester ResearchのアナリストMichael Gouldeは、統合分野では「オープンソースを導入する機が十分に熟している。標準ベースのミドルウェアには、真のビジネスアプリケーションとしての価値があるのだ。企業がSOA(Aervice Oriented Architectures)を導入するようになれば、こうしたミドルウェアの重要性はさらに高まるだろう。もっともこれは、少し先の話だが」と話した。
Gouldeはまた、今日の企業ユーザーは、大手ベンダーが販売する多種多様で成熟した製品の中から、好きなものを選ぶことができると言う。ただし、オープンソースのプログラムも成熟し、複雑な環境で利用されるようになれば、オープンソース製品がこうした大手の定番製品と対抗できるようになる日も来るだろうと、Gouldeは推測している(複雑な環境の例としては、何百万というトランザクションが迅速に処理される、大容量の金融取引アプリケーションなどが挙げられる)。Gouldeは、いったん普及すれば、オープンソース製品は既存製品に価格面で大きなプレッシャーをかけることになるだろうと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ