第16回 システム間連携の鍵を握るメディエーション

近藤 佳大(みずほ情報総研) 2005年09月16日 11時45分

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 EA先進国の米国では、システム間の連携にITコストの多くが割かれ、経営戦略を実現するための新システムの開発に投資することが難しいという課題が、EAを進める具体的な理由として指摘されている。その課題解決のポイントとして、システム連携ツール業界では最近“メディエーション”という言葉が注目され始めている。

 メディエーションとは、複数のシステムにまたがる業務を自動化するために、システムとシステムの間で伝達されるデータに対して行う操作のことである。具体的には、不要な項目を削除したり、データベースから必要なデータを抽出して項目に付け加えたりすることなどをさす。

 システム間連携のためには、メディエーションの他にも、ネットワークを通じて確実にデータを授受するためのトランスポートと呼ばれる機能などが必要となるが、これは連携ツールを用いて比較的容易に実現できるようになっている。そのため、システム間連携の残された課題としてメディエーションに焦点があてられるようになったのである。 連携ツールの中には、すでにメディエーションに特長を持つ製品も出てきている。例えばデータを一括して取り扱うのではなく、細かい要素に分割して扱うことができるようにすることで、複雑なメディエーション機能を高いパフォーマンスで実現できることを特長とする製品が存在する。

 連携ツールの選択に加えて、迅速かつ低コストでのシステム間連携には、EA、特にデータアーキテクチャへの取り組み方が極めて重要なポイントとなる。EAに基づく全体計画を立てずシステム間の連携を個別に進めていけば、連携ツールのメディエーション機能に対するカスタマイズの手間は膨らむばかりである。データアーキテクチャに取り組むことで、これを防止することができる。

 一方で、データの標準化を過剰に進めようとすると、長い期間とコストがかかる。メディエーションという視点から取り組むべきデータアーキテクチャの範囲を絞り込めば、作業や部署間の調整にかかる時間が減り、システム間連携による業務効率化を低コストかつ迅速に進めていくことができる。メディエーションという考え方は、EAを進めていくにあたっても考慮すべきキーワードの一つといえるだろう。

(みずほ情報総研 システムコンサルティング部 近藤 佳大)

※本稿は、みずほ情報総研が2005年9月6日に発表したものです。

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