日本IBMがSOAシステム構築・運用ソフト4製品を出荷、狙いはスピード経営

日川佳三(編集部) 2005年09月14日 19時57分

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 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は9月30日から順次、SOA(サービス指向アーキテクチャ)を構成する個々のサービスを組み合わせて業務システムを構築・運用するための4製品を「WebSphere」ブランドで出荷する。業務モデリングから開発、実行、監視というシステム構築の一連のサイクルを回すためのソフト群であり、J2EEアプリケーション・サーバであるWebSphere Application Server上に構築した。また、2005年内には、ESB(Enterprise Service Bus)機能だけを取り出した製品を発表する。

日本アイ・ビー・エム 執行役員ソフトウェア事業担当の三浦浩氏

 4製品の価格は以下の通り。(1)業務プロセスのモデルを作成し、BPEL(Business Process Execution Language for Web Services)を出力するソフト「WebSphere Business Modeler」が17万8800円。(2)SOAの要素であるサービス同士の接続をGUI画面で設定する、Eclipseをベースとした統合間発環境「WebSphere Integration Developer」が50万500円。(3)ESBを含む実行エンジン「WebSphere Process Server」が1CPUあたり1215万5000円。(4)業務の進ちょく状況など業績を監視するソフト「WebSphere Business Monitor」が1CPUあたり1227万8000円。

 従来、情報システムの役割は、業務を遂行するためのコストを削減することと、業務の生産性を向上させることの2つだった。一方、執行役員ソフトウェア事業担当の三浦浩氏は1990年代中盤以降に起こったパラダイムシフトを指摘する。「コスト削減や生産性向上よりも、新しい業務をより早く実現できるようにすることが、情報システムの主な役割になった」(三浦浩氏)。業務実現の高速化を実現するために、SOAが必要になるというわけだ。

日本アイ・ビー・エム WebSphere事業部長の山下章夫氏

 SOAとは、業務システムの抽象度を従来よりも高めた姿を指す。プログラマが関数やクラスやソフト部品を組み合わせてプログラミングの柔軟性を確保するように、業務担当者の視点でインタフェースを定義した個々のサービス同士を組み合わせ、情報システム構築に柔軟性を確保する。「Javaはハードウェアの仮想化に成功した。SOAはさらにアプリケーションを仮想化する」(WebSphere事業部長の山下章夫氏)。日本IBMのシナリオでは、情報システム構築の柔軟性によって、業績の監視と対処、新たなシステム構築へのフィードバックなど、スピード経営が実現できることになる。

 SOAのサービスはWebサービスに限らない。WebSphere製品群は、既存のレガシー・システムもサービスとして取り込み、Webサービス同様に連携、実行する。業績を監視するBusiness Monitorは、個々のサービスの内部で発生する細かいイベントをリアルタイムに監視することで業務が滞りなく遂行できているかどうかを管理する。「夜間バッチなどを走らせた後に在庫が切れていることを初めて知るようではビジネスが立ち行かなくなる。リアルタイムに業務を監視しなければならない」(山下章夫氏)。

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