Sun Microsystemsは米国時間20日、ハイエンドプロセッサ「UltraSparc IV+」を発表し、主要Unixサーバシリーズを刷新することが、CNET News.comの取材で明らかになった。
UltraSparc IV+(開発コード名「Panther」)は、4プロセッサ搭載「V490」から24プロセッサ搭載「E6900」までのミッドレンジモデルのサーバに採用されて提供される予定だと、同サーバ製品に詳しい情報筋は述べている。これらのシステムは、Sunのビジネスの根幹を成している一方、IBMとHewlett-Packard(HP)らの激しい攻勢にさらされる市場セグメントにも属している。
Sunでは、厳しい競争下にある同チップファミリーを再活性化させようと努力を続けている。同社では、UltraSparc IV+の登場で、これまでの最上位チップ「UltraSparc IV」を搭載したサーバに比べ、2倍の性能を実現できると見込んでいる。
UltraSparc IV+の大きな改良点としては、UltraSparc IVにはない2Mバイトの高速キャッシュメモリを内蔵した点が挙げられる。「このキャッシュメモリにより、飛躍的に性能が向上するだろう」とInsight64のアナリストNathan Brookwoodは述べている。
情報筋の予想では、デュアルコアチップであるUltraSparc IV+のクロックスピードは、当面、1.5GHzに留まるという。これは、Sunが2004年に約束した1.8GHzに比べ、2段階程度遅いものだ。ただし、1.8GHzモデルが早ければ2006年の第1四半期に登場するだろうと、ある情報筋では述べている。なお、現行のUltraSparc IVでは最速のものでも1.35GHzとなっている。
UltraSparc IV+を搭載したサーバの価格は、現行製品とそれほど変わらないはずだと、サーバ製品に詳しい情報筋は指摘している。また、UltraSparc IV+は、これまでのチップに比べて発熱量が少ないが、同じインターフェースを使用するため、UltraSparc IVやUltraSparc IIIを採用しているシステムにも搭載できる。
Sunからは、UltraSparc IV+についてのコメントは得られなかった。
Sunは、Sparcチップファミリーの競争力を維持することに苦戦してきた。競争相手としては、ローエンドながら広く使われているIntel製やAdvanced Micro Devices(AMD)製のx86プロセッサ、IBM製PowerなどのハイエンドRISCプロセッサが挙げられる。しかし、UltraSparc IV+の発表や意欲的なモデルの開発、富士通との提携などは、いずれもSunがSparcファミリーに対する取り組みを維持しているという表れでもある。同時に、Sunは「Galaxy」シリーズでx86チップを採用している。
Sunにとって、Unixサーバの販売増加は急務となっている。市場調査会社Gartnerによれば、2005年の第2四半期に、サーバ市場は6.6%成長して42億ドル規模に達したものの、Sunの市場シェアは38%から33%に落ち込んだという。それに対して、HPは29%のシェアを維持し、一方IBMのシェアは23%から28%まで増加した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ