第1回 企業においてさまざまな検索ニーズを解決するESP(企業内統合検索基盤)

吉川日出行(みずほ情報総研) 2005年10月04日 16時59分

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企業内における情報の氾濫状態

昨今のIT化の進展によりユーザーは情報の氾濫にいつも悩まされるようになった。たとえばある調査結果によると、業務時間の3分の1は情報の検索に費やされているという。実際に読者諸氏も業務遂行時にさまざまな情報を探すことに時間を費やしたことは少なくはないだろう。

統合的な検索プラットフォームの必要性

 企業内における情報化の進展にともない社内のシステムは乱立状態となっている。実際に昨今の企業には「受発注システム」「経理システム」といった基幹系システムから「報告書システム」「営業日報管理システム」「ナレッジシステム」といった情報系のシステムまでさまざまなシステムが構築され、それらの中には膨大な情報が日々蓄積されている。従業員はこのようなシステムを使い分けながら日々の業務を遂行しているが、必要な情報がどこにあるのかがわからなくなって立ち往生することは少なくない。特に最近では、情報系システムに保管されている非構造的なドキュメントと基幹システムに保管されている構造化された数値データを横断的に検索しながら、同時に再利用して資料を作成することを求められるシーンも増えてきている。

 こういった面から従業員は、社内のそれぞれのシステムに分散されて格納されている膨大な情報から必要な情報をすばやく探し出すツールをリクエストし始めたのである。

 システムの乱立状態はシステムの提供サイドにとっても悩みの種である。情報システム部門はユーザーからの検索ニーズに答えるためにかなりの苦労を強いられている。システムを構築する度に検索機能の実装をユーザーから求められ、その都度その業務にあわせた検索機能をシステムに組み込むことを余儀なくされてきたのである。また一方では昨今の情報統制という面から、情報システム部門は社内の情報について管理統制を行う責務を負わされ、この観点から同じような情報が複数個所に格納されていることは望ましくない。そのため重複情報を探し出し管理するためにも検索機能の必要性は高まっている。

 これまでにこういったニーズに対応するためにさまざまなアプローチが試されてきた。統合データベースの構築やERPといった統合アプリケーションを使ってデータベースを統合するというものもそのひとつである。しかしながら、これまでのところデータやアプリケーションの完全統合に成功した企業はあまり多くない。

 企業内情報の多様な用途を省みれば、こういったデータ自体を一元化する試みやアプリケーションレベルで統合する考え方には限界があるのではないだろうか? 情報の保管場所は各情報に適したプラットフォームとして、ユーザーが欲しいときにそれらの情報を横断的に検索できるようにしたほうがより効率的ではないだろうか? そこで、企業内におけるさまざまな情報(コンテンツ)についてその情報の存在場所に関する情報のみを集めておいてそれを必要なときにすばやく取り出せるような基盤を構築するという考え方を提唱したい。

ESPの定義

 企業内におけるさまざまな情報(コンテンツ)について横断的かつ共通的に検索を行うためのプラットフォームを構築し提供するというコンセプトは、すでにいくつかの先進企業で試みが始められている。この場合に検索対象とする情報には、日報や提案書といった非構造的なコンテンツである文書や、売上情報や顧客情報といった構造的なデータが幅広く含まれる。

 我々は企業内の横断的かつ共通的に検索を行うためのプラットフォームのことを「ESP(Enterprise Search Platform)=企業内統合検索基盤」と名づけている。ESPを構築すれば、ユーザーは企業内におけるさまざまな情報(コンテンツ)について横断的かつ共通的に検索を行うことができ、情報システム部門もこの共通的なプラットフォームを使うことでユーザーの幅広い検索ニーズによりすばやく効率的に対応できるようになる。

ESPの導入により、従業員は情報検索作業を効率化することができる


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