いつまでも現役で--IBM、加齢障害に対応するソフトウェアを公開

Alorie Gilbert(CNET News.com)

2005-10-04 11:44

 IBMは、加齢障害を抱える高齢者が職場で生産性を維持できるように支援する一連のソフトウェアプログラムをリリースした。

 米国時間3日に発表されたこの無償プログラムは、社員の高齢化が進む米国企業を支援する同社の取り組みの一環。IBMは、米国人の10人中7人は65歳を過ぎても働く意向であることを示すAARP(全米退職者協会)の調査結果を引き合いに出している。

 IBMは声明のなかで、「組織は、何年もの貴重な業務経験と実績を保護するため、高齢だが戦力になる従業員を維持する必要に迫られている。このアクセシビリティ(改善)技術は、障害のある人でも情報技術を利用可能にする仕様や機能を提供することで、高齢化する従業員の生産性維持に役立つ」と述べている。

 IBMがネットで無償配布するプログラムには、手に震えのある人の無駄な動きを省いてマウスをスムーズに動かすソフトウェアや、通常のキータッチより短い/あるいは長い押下時間に調節できるもの、片手での入力に対応するキーボードプログラムなどが含まれている。

 ほかにも、視力の弱い人向けに自動的にウェブページをフォーマットし直し、テキストを拡大したり、フォントやレイアウトを修正するツールも用意されている。このツールにはテキスト読み上げ機能もある。

 さらにIBMは、コンピュータの操作性を懸念するソフトウェア開発者向けにオンライン資料も用意した。同社では、これらの無償プログラムを含むアクセシビリティ技術を同サイト経由で配布する予定だ。

 IBMは先週、これに関連する活動として、定年に達する従業員が増えている企業を支援する新しいビジネスコンサルティングサービスも発表した。また8月には、Mozilla Foundationに対して、障害を持つ人向けにFirefoxウェブブラウザを使いやすくするためのソフトウェアを寄贈すると約束していた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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