Microsoftでは、このたび発表されたClient Protection製品のコンシューマ向けバージョン「OneCare」のテストをすでに始めている。Fry Wilsonは6日、同社が2006年中にOneCareの正式版をリリースする予定であると述べた。
またMicrosoftは同日、エンタープライズPCやファイルサーバの安全性を高める計画に加え、「Microsoft Antigen for Exchange」を開発中であることも明らかにしている。これは電子メールサーバ用のウイルス対策ソフトウェアで、同社が2005年に入り買収したSybari Softwareの技術を利用したものだ。Microsoftによれば、同製品のテスト版は2006年前半にも公開されるという。
Fry Wilsonはさらに、MicrosoftブランドのAntigen製品3点のベータ版が2006年にリリースされると話している。これら3点の製品はそれぞれ、「Microsoft Antigen for SMTP Gateways」「Microsoft Antigen Spam Manager」「Microsoft Antigen Enterprise Manager」と称されている。
Directions on MicrosoftのアナリストMichael Cherryは、6日に行われた発表によって、Microsoftがセキュリティ対策をおろそかにしてこなかったことは証明されたが、実際の製品提供や明確なロードマップの提示については相変わらず遅れが目立つと指摘している。
「Microsoftはみずからの方向性を示すことには成功しているが、目標をいつ達成できるのかが見えてこない。一部の製品のベータ版が提供されるといっても、消費者が正式な製品を購入し導入できるのがいつになるのか、いまだに見当がつかない」(Cherry)
Microsoftは3年前に「Trustworthy Computing Initiative」を設立して以来、セキュリティに大きな力を入れてきた。
9月にIDマネジメント企業Alacrisを、7月には電子メールセキュリティ企業FrontBridgeを取得するなど、セキュリティに関した買収も繰り返している。しかしアナリストらは、Microsoftには明瞭かつ生産的な戦略がないと批判的な見方をしていた。
一方Fry Wilsonは、「当社は基礎固めに2年間を費やし、投資を行ってきた。今やMicrosoftのセキュリティへの取り組みは新段階に入り、新製品および新サービスを投入して多層防御技術を提供し、ユーザーがネットワークやシステムの安全性を維持するのを支援できるようになりつつある」と話している。
Fry Wilsonの言う「基礎固め」のうち最も重要なものは、2004年にリリースされた、Windows XP用セキュリティアップデート「Windows XP Service Pack 2」だったという。同氏はこのほか、「Windows AntiSpyware」のベータ版を提供したことや、6月に「Microsoft Update」と呼ばれる新たなパッチサービスを立ち上げたことなどを挙げた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ