GartnerのアナリストTom Bittmanは、仮想化技術やその他の新技術の登場でライセンス体系が大幅に変更されていくと、ソフトウェアベンダーが危機に陥る可能性があると指摘する。
「ソフトウェアベンダーはおそれを抱いている。売上を減少させたくはないが、こうした枠組みの中では価格体系を見直す必要に迫られているからだ」(Bittman)
現行の制度では、サーバの一部のみを利用して仮想サーバアプリケーションを稼働させている場合でも、企業は4プロセッサ分の料金を支払わなければならない。新ポリシーが適用されれば、4プロセッサマシンで2基の仮想マシンを使用してサーバアプリケーションを稼働させるなどと決めておき、それに応じた金額を支払えば済むようになる。
Leesは、Microsoftの新しいポリシーは、ソフトウェアベンダーが普及しつつある仮想化技術と向き合う際の指針となると話している。
「同社のライセンス方針は、ユーザーによる仮想化技術の活用を促進するものだ。現在はまだ、そうした活用は広まっていない」(Lees)
また、Gartnerでアナリストを務めるAlvin Parkは、Microsoftの決定を受けて、他のソフトウェアメーカーもみずからのポリシーを再検討することになるだろうと述べた。
「Microsoftの新ポリシー策定によって、他ベンダーはライセンス戦略を再考せざるを得なくなる。同社と競合していくためにも、いずれは彼らもライセンシングを変更するはずだ」(Park)
これらの企業のうち、OracleやSAP、BEA Systemsなどは、Microsoftの新ポリシーについてのコメントを現時点では拒否している。米国時間7日に連絡の取れたOS市場におけるMicrosoftの競合企業数社からは、仮想化技術への対応はすでに行っているという回答を得た。
Novellでは、ユーザーが「SuSE Linux Enterprise Server」上で「仮想イメージ」を無料で動作できるようにしている。
また、「Red Hat Enterprise Linux」の製品戦略を指揮するScott Crenshawは、同社は「仮想環境におけるRed Hat Enterprise Linuxの導入コストを大幅に削減する」プログラムを提供していると述べた。もっとも、Red Hatはこれ以上の詳細は明らかにされていない。
Microsoftによれば、新ポリシーの下で、2005年末までにリリースされる予定の「Windows Server 2003 R2 Enterprise Edition」には仮想マシンが4ライセンス分無料で含まれるという。さらに、2007年に発表されるWindows Serverの「Longhorn」エディションでは、稼働させられる仮想マシンの数は無制限になるということだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ