あえてアドオンを多用、社内要員だけでERPを運用する(後編)

瀬尾英一郎(月刊ソリューションIT編集部) 2005年10月25日 10時00分

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早期立ち上げを目的にB-Oneを
ノンカスタマイズで導入

 NECトーキンでは、「新しくシステムを導入する時にはERPが基本」と決めている。基本はR/3で、2002年に合併した旧NECの製造拠点にもR/3を導入中だ。現在6つのプロジェクトが並行して走っているという。

 だが、むやみやたらにR/3を拡大しているわけではない。今回上海の事業所には、SAPの中堅企業向けERP「SAP Business One」(以下、B-One)を導入した。これはERPの特徴である「早期立ち上げ」を狙ったものだ。上海では、香港のブランチの会社と、上海独自の2つの会社が存在する。香港のブランチ会社では米ドルを基軸通貨としたR/3が稼動中だ。これと同じシステムを「人民元」で作れば、最低5名で半年以上を要する。今後事業所の規模が拡大すれば、R/3へのステップアップも視野に入れている。新規事業体に多大なコストや時間をかけている余裕はないし、そもそもビジネスの立ち上げが遅れてしまう。R/3の導入とは、プロジェクトの性格が異なり、そうなればプロジェクトの内容も変わる。

 今回の導入の大まかなスケジュールは図の通り。2004年の12月後半から2005年の1月半ばにかけてB-Oneを選定。この時点でNEC情報システムズに相談し、NEC、NECソフト、ソルパックのサポートを得た。だが依頼したのはプロジェクトの「入り口」だけ。あくまで導入は自力でと考えたからだ。

図 SAP Business One 導入スケジュール

 製品選択のポイントとなったのは、米ドルと人民元、複数通貨に対応している点。そして、事業所の大まかな業務プロセスに対応できるという2点だった。細かな機能や画面の操作性のチェックはしていない。基本機能が満たされていれば、掘り下げて見るより一刻も早く導入し、慣れた方が早いとの判断だ。メンテナンス工数を考慮しての画面開発も、今回は必要ない。逆に開発工数が上回ってしまう恐れがある。

 今回のアプローチは、これまでの「R/3の標準機能は原則として使わない」という方針とは、180度異なる。アドオンなしでキメ細かい業務にどこまで対応できるか、不安はあったという。

 だが実際に触れた感想は「なかなかのもの」(同)だったという。画面に手を入れずとも、これまで同社がアドオン開発してきた画面と遜色がなかった。画面の項目名の変更やテーブル作成の自由度も高い。そしてとにかく動きが軽い。今後さらに改良を重ね、よりよいものに仕上げていく計画だと言う。

 また、SAP製品ということでの、R/3との親和性の高さや、R/3への移行のスムーズさに対しても期待しているという。

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