日本市場向け「ホット・プラガブル」構想を発表--日本オラクルがSOA戦略を強化

山下竜大(編集部)

2005-10-24 21:10

 日本オラクルは10月24日、同社のミドルウェア戦略の1つでオラクル以外のミドルウェア製品やデータベースと「Oracle Fusion Middleware(OFM)」を構成するソフトウェアを容易に統合することを可能にする「ホット・プラガブル(Hot-Pluggable)」構想における日本市場向けの展開について発表した。

 ホット・プラガブル構想は、OFMを構成する各ソフトウェア製品をモジュール構造にすることで、オラクル以外のミドルウェア製品やデータベースとの容易な統合を可能にする取り組み。

 統合開発環境である「Oracle Application Development Framework」やO/Rマッピングツールの「Oracle TopLink」、BPELツールの「Oracle BPEL Process Manager」、セキュリティ環境の「Oracle Identity Management」などを、オープンソースのJBossや、IBMのWebSphere、BEAのWebLogicなどのアプリケーションサーバ上で使用可能にする。

「ホット・プラガブルは既存の資産を有効に活用し、より良い環境を実現できる」と三澤氏

 日本オラクルの執行役員 システム事業推進本部長、三澤智光氏は、「アプリケーション開発の現場は、アプリケーションサーバにより“作って動かす”だけの時代から、ミドルウェアを使用して“安定運用し連携させる”時代へと変化している。そこで有効なのがOFMであり、ホット・プラガブル構想だ」と話す。

 日本市場における具体的な取り組みとしては、DOPG(旧、分散オブジェクト推進協議会)が、WS-I Basic Profileに基づくWebサービスの相互接続実証実験を実施したことが2005年10月に発表されている。また、Oracle BPEL Process Managerと.NET Webサービスの接続性も確認されている。

 さらに日本オラクルでは、国内の主要ISVパッケージベンダーと相互運用性の検証を行っており、その結果を10月28日に公表する予定。そのほかSOA拡大に向けた取り組みとして、100名以上の担当者を育成することで社内体制を強化するほか、パートナー向けトレーニングの強化やエンドユーザー向けのOracle University研修コースを2005年11月より拡充する計画としている。

 このホット・プラガブル構想は、2005年9月に米Oracleがサンフランシスコで開催したユーザーカンファレンス「Oracle OpenWorld San Francisco 2005」(OOW 2005)で発表されたもの。同カンファレンスで同社の共同社長であるCharles Phillips氏は、「OFMの特長は、包括的(Comprehensive)で、ホット・プラガブルで、Unbreakableであること」と話している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]