現在、xfy Basic Edition 1.0 BetaではXMLボキャブラリとしてXHTMLとSVGの2種類用のボキャブラリコンポーネントを搭載している。このボキャブラリコンポーネントを追加することにより、さまざまなXMLボキャブラリに対応できるようになる仕組みになっている。
さらにxfy technologyでは、図2のような1つのXMLファイル中に複数のXMLボキャブラリ(図2ではXHTML、MathML、SVG)を含んでいるコンパウンドドキュメントであってもそのまま扱うことができる。例えば、XHTML(文章)とSVG(グラフィックス)の両方を含んだXMLファイルがあるとすると、その文章とグラフィックスをそのままシームレスに編集することができるのである。
分かりやすく言うと、例えばホームページ作成ソフトでHTMLファイルの中にグラフィックスを貼り付けた場合、グラフィックスを描き直したりする場合は、別の画像編集ソフトが起動し、それで編集することになるが、そうではなく、そのままホームページ作成ソフト上で文章を変更するように、シームレスでグラフィックスを描き直すことができる、といった感覚だ。
新しいXMLボキャブラリに対応させるには、xfyのホームページなどからボキャブラリコンポーネントをダウンロードして組み込むほかに、オリジナルXMLボキャブラリ用のボキャブラリコンポーネントを自分で作成することもできる。ボキャブラリコンポーネントを作成する場合には、xfy Developer's Toolkitが必要になる。
ボキャブラリコンポーネントは、xfy technologyで提供されているVC(Vocabulary Connection)という機構により実現されており、このVCの動作を記述するためのスクリプト言語としてXVCDが用意されている。そのため、ボキャブラリコンポーネントを作成するには、XVCDを記述すればよい。
XVCDは、XSL(eXtensible Stylesheet Language)をベースに拡張されたXMLファイルであるため、XSLライクな記述をすることにより、新たなボキャブラリコンポーネントを作成することができるようになっている。ちなみに、XSLとはXMLファイルをどのように表示するかを規定するスタイルシートであり、HTMLにおけるCSSファイルのようなものである。
また、VCでは画面上の操作を受け取ってXMLファイルを編集する機能、メニューやツールバーを追加する機能、ファイル操作やダイアログボックスを表示する機能など、さまざまな機能が設定できるようになっている。このため、ボキャブラリコンポーネントの作り方しだいでは、単なるXMLファイルの編集環境だけではなく、図3のようなWikiや掲示板のようなアプリケーションまでも作ることが可能である。
現在は、XVCDファイルからボキャブラリコンポーネントを作成するためには煩雑な手続きが必要であるが、今後、対話形式で簡単にボキャブラリコンポーネントを作成できるツールをxfy Developer's Toolkitに含めて提供することが予定されている。
xfy technologyの登場で、今後XMLが従来想像もしなかった全く新しい使われ方をするようになるかもしれない。