「オープンソースとオープンスタンダードで本当の自由が手に入る」--JavaOne講演にて

藤本京子(編集部)

2005-11-10 20:28

 11月10日に最終日を迎えたサン・マイクロシステムズ主催のJava開発者会議「JavaOne Tokyo 2005」。サンは今回のJavaOneで、「Information Age(情報の時代)」が終わり、「Participation Age(参加の時代)」が到来したことを強調している。米Sun Microsystemsのチーフオープンソースオフィサー、Simon Phipps氏は、最終日の基調講演にて、参加の時代で起こっている変化の例を挙げた。

 Phipps氏は、「これまでの情報の時代では、セキュリティを確保するには境界線を引き、その中に誰も入れないという手法を取っていた。それが参加の時代では、電子IDによって身元を明らかにすることがセキュリティとなった」と述べた。また、情報の時代ではソフトウェアも巨大で単一構造だったが、「参加の時代では、ソフトウェアが小さな部品となり、サービス指向へと変化した」としている。「こうした変化は、マーケティング力で生まれたものではなく、社会がもたらしたものだ」(Phipps氏)

200
「参加の時代」について語るSimon Phipps氏

 Phipps氏は、2004年にSun社員のブログページを立ち上げたが、これも「参加の時代において、顧客との関わりが会話中心となったためだ」と説明した。現在では、3000人のSun社員がブログで意見を述べているという。

 また同氏は、参加の時代においてはソフトウェア開発の手法も変わるとしている。その手法とはオープンソースだ。Phipps氏は、これまでのように優秀なエンジニアを雇い、会社に閉じこめて開発するよりも、より多くの優秀なエンジニアにオープンソースコミュニティに参加してもらい、協力しあって開発を行う方が効率が良いと述べている。

 ただしPhipps氏は、ソフトウェアがオープンソースというだけでは意味がないとしている。「いくらオープンソースソフトを使っても、オープンスタンダードを採用しない限り、閉じこめられた状態からは逃れられない」とPhipps氏。同氏は、「ソフトウェア開発者にとっての自由はオープンソースにあり、ソフトウェア導入者にとっての自由はオープンスタンダードにある」と述べ、オープンソースとオープンスタンダードを組み合わせることで自由が手に入るとした。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]