ストレージ関連のアイオメガは11月14日、同社の市場戦略や商品展開などを説明した。説明の中で米Iomegaで最高経営責任者(CEO)を務めるWerner Heid氏は「個人・SOHO向けの分野で、リムーバブルメディアは今後使われなくなる可能性がある」との見方を明らかにした。
日本法人のアイオメガを含むIomegaは現在、個人やSOHOを対象にNASのほかに「REV」と呼ばれるリムーバブルメディア製品を中心に展開している。
- 「オフラインでデータを保存したいという業界は確実に存在する」IomegaでCEOを務めるWerner Heid氏
NASでは、160G〜250Gバイトのデスクトップ型、500G〜1テラバイトのミニタワー型、240G〜1.6テラバイトのラックマウント型を展開。REVは、ハードディスク技術をベースにしたリムーバブルメディアであり、35Gバイトと90Gバイトの2種類があり、ハードディスクドライブと同等の反応速度で利用できる。
Iomegaでは今後、サーバやPCのバックアップ、アーカイブで既存のテープからの置き換えとしてREVを推進していく。またハイエンド・ワークステーションでの大容量データのバックアップ、アーカイブでの利用も働きかけていく。
- 「REVの知名度を上げたい」欧州・アジア太平洋地域副社長のUlrike Tegtmeier氏
REVについては、今後利用が有望視される分野として放送業界、監視ビデオでの記録映像のバックアップ、医療機関でのデータ蓄積などとしている。Heid氏は「放送機器メーカーのグラスバレーが記録媒体としてREVを採用している」と説明している。
「日本IBMのeServer xSeries 206がオプションのバックアップ装置としてREVドライブを採用している。また東芝情報機器のMAGNIAサーバもオプションのバックアップ装置として、REVドライブを採用している。今後も日本市場でREVドライブの認知度を高めるとともに、バックアップ用途などでサーバに組み込んでいきたい」(Iomegaで欧州・アジア太平洋地域担当副社長を務めるUlrike Tegtmeier氏)
Heid氏は、今後の商品展開について「個人やSOHO向けでは、デジタルコンテンツを管理するためのミドルウェア製品を7〜9ヶ月後に市場投入したい」と説明。またREVドライブの次世代商品として「NASとの連携を視野に入れたREVを開発していく」との見通しを明らかにしている。
リムーバブルメディアの今後についてHeid氏は「個人・SOHO向けでは、ネットワークにつながるストレージの拡大により、リムーバブルメディア市場が縮小している」との現状認識を明らかにした。「リムーバブルメディアが使われなくなる可能性を想定して、今後はネットワークにつながるストレージに力を入れていきたい」としている。
しかし、Heid氏は「医療や放送などの業界では、ネットワークにつながらない、オフラインの状態でデータを安全に保存したいとの要求もあり、リムーバブルメディアが完全になくなることはあり得ない」との見通しも明らかにしている。