J2EEから.NETまで対応できるSOA戦略が強み--日本BEA

聞き手:山下竜大(編集部)
構成:佐々木紀行(ロビンソン)
撮影:赤司聡 2006年01月01日 03時30分

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SOAが本格的に動き出した2005年

 2005年は日本経済の順調な回復基調を実感できた年でもあります。日本BEAのユーザーとしても、通信や金融のマーケットが2004年と比較しても着実に増えました。また、得意分野でもある製造と流通のITの投資額も確実に伸びています。日本BEAのビジネスも確実に二桁以上の成長を示すことができました。

 中でも、SOA(サービス指向アーキテクチャ)の市場が飛躍的に拡大しています。日本BEAは2年半前からSOAに関する取り組みを開始し、コンサルタントやSEなどが書籍を執筆するなど積極的に啓蒙活動を続けてきましたが、2005年はそのような地道な活動の成果が実り、既にリアルな案件として動き始めています。他社に先駆けて、多くの資金と時間を投資してきただけに、これは本当に嬉しいことです。

 日本BEAの戦略面を見ると、2004年6月にはマーケティング上の新たなビジョン「Think liquid(流動的に考えよう)」を立ち上げると共に、BEA AquaLogic新製品ファミリー群を新たに投入しました。日本国内でもESB(エンタープライズ・サービス・バス)を搭載したBEA AquaLogic Service Busの案件も既に動き出しています。また、BEA WebLogic Server 9.0Jをリリースするなど既存製品群の拡充にも力を入れました。このように、2005年はSOAを中心にビジネスが大きく動き出した年といえます。

豊富な方法論を蓄積したSOA市場のリーダー

 SOAの市場を振り返ると、2004年時点ではパートナーもユーザーも「SOA?」と、常にクエスチョンマークがついていた状況だったと思います。ビジネスの中でどのように適用していくべきかをマーケット全体が模索していました。先ほど述べたように、2005年になると実際に実現へ向けた具体的な動きが目立ち始めました。

 大手企業は何らかの形でSOAに取り組む必要があることを認識し、「実際にどうすればよいの?」という疑問を解決するために、日本BEAのもとに訪れます。我々もコンサルタントやSE、そしてパートナーとの間でフォーメーションを組み、一緒にトレーニングを実施するなどして、マーケットへのアプローチ体制を整備してきました。

日本BEAシステムズ 代表取締役 アリイ・ヒロシ氏

 日本BEAの強味は、他社に先駆けてSOAに取り組んできたため、豊富な方法論が蓄積されている点です。BEA WebLogicやBEA AquaLogic、ESB搭載製品群などを早くマーケットに送り出すことができましたし、SOAの標準化でもリーダーシップをとっています。コンサルタントやSEの経験とノウハウも大きな武器です。なにより、“J2EE”と“.NET”のどちらにも対応できる点は大きなアドバンテージになります。

 2005年の画期的な出来事として、日本BEAがSOA戦略を進めるうえで、エンドユーザーに直接アプローチを始めたことが挙げられます。昨年の春に設立したユーザ会「BEAJUS」に63社のエンドユーザー企業に参加して頂きました。その中に「SOA分科会」も設立し、金融や通信、製造など各インダストリーの大手企業30社以上に参加してもらい、日本BEAのコンサルタントと共に実際に抱えている課題の解決やビジネスへの適用手法などを検討しています。

 なによりもこのようなコミュニティを作り上げることができたことが率直に嬉しいことです。そして、日本BEAとしても参加企業の課題解決に尽力し、SOAに関する新たな事例を作り出していきたいと思っています。

Plumtreeの買収でポータルからのSOA戦略が加速

 エンドユーザーは新たな技術による問題解決ノウハウを日本BEAに期待しています。企業は全体のビジネスの中でIT戦略を練っていかなくてはなりませんが、実際はシステム部門と現場では大きなギャップが存在しています。このようなギャップを、BEA製品を使ってどのように解決できるか。エンドユーザーの焦点はそこにあります。だからこそ、我々は新たな技術をマーケットに投入し、ビジネス課題の解決を実証していかなくてはなりません。

 現在、我々はエンタープライズポータルからのSOA戦略を積極的に推し進めています。2005年8月にプラムツリーソフトウェアを買収し、BEAのポータル製品と組み合わせて、マーケットシェアを大幅に拡大させる予定です。ポータルからのアプローチが増えることで、エンドユーザーからの幅広い要求に応えることができるようになるはずです。

 ポータルを切り口として、BEA WebLogicやBEA AquaLogicまで企業システム全体をカバーした提案も可能になります。バックエンドからフロントエンド、J2EEと.NET、どこからでもSOAにアプローチできる体制が整ったわけです。

2006年はSOAの波が一気にやってくる

 2006年は、日本においてもSOAの波が一気にやってくるでしょう。その理由は、エンドユーザーのビジネスそのもののスピードが今まで以上に加速しているからです。ひとつの企業の事業領域が多岐にわたることがは当たり前の現状では、分かりやすい形態のサービスを迅速に提供できる企業が勝ち組となります。

 たとえば、手続きを一元化できるワンストップサービスなどのように、使いやすくシンプルな形に変容していくでしょう。そのためには、ビジネス自体をもっと分かりやすくしていかないといけません。その意味でも、複雑な情報を簡単に見せることを目指す我々のポータル領域からのSOA戦略が今まで以上に注目されるでしょう。

 一方で、SOAベースのRFIDソリューションも積極的に展開していく予定です。2005年10月には米ConnecTerraの買収を発表し、2006年には大きなビジネスとして成長させることができると思っています。我々は既にRFIDエッジサーバを発表しており、エンドユーザーとのテスト導入も進んでいます。

 既に案件として動き始めているものもあり、2006年にはマーケットに対し何らかの報告ができるでしょう。今後は、Eガバメント分野におけるSOAへのニーズも出てきそうですし、BEA AquaLogic、ポータル、RFIDを含めたSOAのマーケット動向を俯瞰すると、2006年は非常に大きなチャンスになると実感しています。

 このようにビジネスモデルの変化にあわせ、ベンダーも新たな製品や戦略、方法論を提供していく必要があります。つまり、ユーザーも我々も常に“チェンジ”していかなくてはならないのです。そのためには、“チェンジ”することによるメリットをいかに相手に分かりやすく伝えることが大切です。

 日本BEAでは、エンドユーザーやパートナーに対し、“チェンジ”のメリットをしっかりと伝え、共にビジネス課題の解決を進めていきたいと思っています。


アリイ・ヒロシ
日本BEAシステムズ 代表取締役
2005年のクリスマスは母の住むラスベガスで英気を養い、その後はニューヨーク出張。プラムツリーソフトウェアなどの企業統合に伴い、年末にかけて慌しい日々が続いたが、「なんとか日本でカウントダウンを迎えられそう」とのこと。好きな言葉は“チェンジ”。日本法人設立11年目を迎え「日本市場の業績は順調に伸びている。2006年は大きなチャンス!」と意気込む。最近読んだ本は、ウォルト・ディズニーを再建したマイケル・アイズナー会長の「ディズニー・ドリームの発想(上・下)」。
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