EMC、最大記憶容量1ペタバイト「DMX-3」などを発表

文:Dawn Kawamoto(CNET News.com)
翻訳校正:河部恭紀(編集部)

2006-01-27 13:36

 EMCは米国時間26日、ストレージおよび仮想化技術製品ラインアップを拡張して発表した。製品ラインは、大容量化された「Symmetrix DMX-3」ストレージアレイから、新たなファイルシステムソフトウェアにまで及んでいる。

 予想より早く行われた今回の新製品リリースでは、同社の主力製品であるSymmetrix DMX-3ストレージアレイのエントリーレベルおよびハイエンドバージョンや、「EMC Multi-Path File System for ISCSI(MPFSi)」と呼ばれる新ファイルシステムソフトウェアが発表された。また、既存の「EMC Rainfinity Global File Virtualization」プラットフォームや「EMC Centera」に対する機能強化も公開された。

 EMCが階層型ストレージ製品DMX-3やIPストレージソフトウェアラインアップの拡張を発表した背景には、データ保存に関する規制が強化されていることから、同社の競合企業が、ストレージの需要が拡大すると見込んで取り組みを活発化させているという事情がある。

 EMCの技術分析担当ディレクターKen Steinhardtは、「DMX-3を拡張したことで、ユーザーは大きな生産性と柔軟性というメリットを得られるようになる。それはちょうど、19インチのテレビを極限まで大きくしていき、その間も映像を途切れなく見続けられるようなものだ」と話している。

 エントリーレベルのDMX-3ストレージアレイには、96個のディスクドライブが搭載され、一方のハイエンドバージョンには、最大2400個のドライブを積むことができる。また今回の改良では、ハイエンドバージョンの容量を1ペタバイト以上(1024テラバイト)にまで拡張できるようになった。こうした新機能が実装された結果、1つのアレイにより多くの情報を保存し、DMXプラットフォームから多層型のストレージを管理することが可能になっている。

 EMCは、IPネットワークにおける大容量ファイルの移動を高速化するMPFSiソフトウェアも発表している。このソフトウェアは、IPネットワーク上で大きなデータを転送するのにiSCSIプロトコルを用いる、一般的なNetwork Attached Storage(NAS)で使用するようデザインされている。EMCの見積もりによると、データ転送のパフォーマンスは4倍になるという。

 EMCのストレージ/プラットフォーム/オペレーション部門バイスプレジデントDavid Donatelliは、米国時間26日に開催されたアナリスト向け発表会で、「われわれはIPストレージにおける問題を解決し、エンタープライズによる使用に耐えうるよう製品を改良した」と発言した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]