SOA対応アプリ連携の開発効率を約3倍向上させる日立の「Cosminexus Version 7」 - (page 2)

山下竜大(編集部)

2006-02-28 05:55

--具体的に、SOAを実装するにはどのような手順が必要でしょう。

 日立のアプローチとしては、3つのステップで考えています。まずステップ1で機器の統合、ステップ2で運用の統合、そしてステップ3でサービスの統合です。

 ステップ1の機器の統合では、統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」により、ネットワーク、サーバ、ストレージ機器をひとつの筐体に統合し、仮想化する仕組みを提供します。また、ディスクアレイサブシステム「SANRISE」によりストレージ環境の統合および仮想化を実現します。

 次にステップ2で運用の統合では、統合システム運用管理「JP1」により、アプリケーションサーバやデータベースをはじめ、ハードウェアも含めて一元的に管理することを可能にします。

 さらに現在では、ステップ3となるサービスの統合として、これまで蓄積してきたEAIやWebサービス、データ管理技術などを活用したシステム統合の経験やノウハウをさらに発展させたSOAによるシステム統合のフェーズに入っています。

 SOAに基づくシステム構築を総合的にサポートするのが、日立の統合サービスプラットフォームコンセプトである「Harmonious Computing」であり、その中核となるソフトウェア製品に位置付けられているのがユニバーサルアプリケーションプラットフォームの最新版である「Cosminexus Version 7」なのです。

--Cosminexus Version 7の特長について聞かせてください。

 Cosminexus Version 7の最大の特長は、SOAに基づいたシステム開発および実行を容易に実現できる機能を搭載したことです。具体的には、ESB(エンタープライズサービスバス)機能の提供によるビジネスプロセスの統合と、フェデレーション機能、レプリケーション機能の提供によるデータ統合を実現しています。

 ESB機能は、サービスの実行基盤となる新製品「uCosminexus Service Platform」およびサービス連携を定義する新製品「uCosminexus Service Architect」の2つの製品で構成されています。uCosminexus Service Architectは、これまで人手で行っていたビジネスプロセス統合を、直感的に使えるGUIにより実現可能にしたことで、アプリケーション連携の開発効率をこれまでの約3倍に向上することが可能です。

 SOAを実現するには、ビジネスプロセスの統合だけでなく、アプリケーションが使用するデータを統合することも重要になります。このとき、従来のETLツールによる統合はもちろん、リアルタイムのデータ統合およびレプリケーションによる逐次データ統合の3つのデータ統合を業務ごとに使い分けることが必要です。

 今回、新たに提供される「uCosminexus Information Federator」は仮装表による異種分散データベースへの透過的なアクセスを実現できるほか、「uCosminexus Information Replicator」ではレプリケーションによる異種分散データベース間のデータ統合を実現しています。

--Cosminexus Version 7を導入することでユーザー企業にはどのような効果が期待できるのでしょう。

 Cosminexus Version 7によりSOAに基づくITインフラを実現することで、次のような効果を期待できます。まず、JP1と連携した自律運用機能の実現により、システムの導入、運用、管理コストが削減できます。また、システム障害の未然回避と回復時間の短縮による稼働率の向上、開発/実行環境のシームレスな連携による開発生産性の向上、障害解析や原因究明アーキテクチャの強化によるトラブルシュートの効率化などです。

--SOAソリューションの実現における日立の強みを聞かせてください。

 Cosminexus Version 7を中核とした高信頼なアプリケーションフレームワークとベストプラクティススイートによる「戦略実行」環境を実現できるのはもちろん、ビジネスプロセスの評価/分析からITアセスメントまでの「戦略評価」、業務やITシステムの最適化に向けた今セルティングを提供する「戦略策定」、SOA支援コンサルティングやコンポーネントベースモデリング、IT資産活用型システム構築コンサルティングなどを提供する「戦略実装」というSOA対応システム構築におけるライフサイクルを包括的に提供できることがわれわれの最大の強みといえます。

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