HPCがデスクトップにやってくる--マイクロソフトと同志社がHPCコンソーシアム

藤本京子(編集部) 2006年03月08日 19時28分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 マイクロソフトと同志社大学は3月8日、High Performance Computing(HPC)分野において連携し、共同で「Windows HPCコンソーシアム」を4月1日付けで設立すると発表した。

 マイクロソフト 代表執行役社長のDarren Huston氏は、コンソーシアム設立の目的として、「すべての科学者や技術者、そして企業に、高速で大容量の演算環境を提供することだ」と述べた。「IT業界は急速に変化しており、10年後には高性能で安価なコンピュータが家庭にも普及するだろう。日本がIT大国として持っている力は大きく、ぜひ日本がHPCの中心となってほしい。現時点でのHPCの市場サイズは限られているが、20年もすれば、今HPCと言われているスペックが通常のデスクトップ製品で採用される可能性もある」(Huston氏)

Windows HPCコンソーシアムの発表会にて。
左より、マイクロソフトのHuston氏、同志社大学 学長の八田氏、同教授の三木氏

 同志社大学は、これまでにもHPC分野の研究で実績を残している。2001年に構築したPentium IIIベースのGregor Systemで70Gフロップスを実現したのをはじめ、2002年にはXeonベースのXenia Systemにて401.4Gフロップスを実現、第20回のTop500 Supercomputer Sitesにて194位を獲得した。また、2003年にはOpteronベースのSuperNova Systemで1.169テラフロップスを実現、第22回のTop500にて93位となった。これは、「当時日本最速のPCクラスタだった」と、同志社大学 工学部 知識工学科 教授の三木光範氏は話す。

 同志社大学 学長の八田英二氏は、「こうした実績を持つ同志社大学と、PCやビジネスサーバで圧倒的なシェアを握り、HPC分野でも誰にでも使えるコンピューティング環境を提供できるマイクロソフトが、応用計算科学分野でコラボレーションを組むことで、高い技術を持つ企業の独創を支える応用研究科学の普及と、次世代のものづくりを支える高度専門エンジニアの教育や養成に貢献できる」と述べた。

 コンソーシアムの運営やHPCプラットフォームの実証を行う設備の提供は、同志社大学が担当する。一方マイクロソフトは、HPCのプラットフォームとなるWindows Compute Cluster Server 2003(Windows CCS 2003)を提供する。両者のほかにもWindows HPCコンソーシアムには、ケイ・ジー・ティー、ソフトウェア クレイドル、ティージー情報ネットワーク、ビジュアルテクノロジーの4社がパートナーとして参加しており、ハードウェアの構築やアプリケーションの提供を行う。

 コンソーシアムでは、Windows CCS 2003を用いたシステム検証を希望する企業を募集し、その検証結果を報告書やセミナーなどで一般に公開する。4月から5月にかけて、論文などの公募制により案件を募集、産業振興および社会貢献の観点から採択企業を決定する。6月から8月には検証および報告を行う。

 同志社大学ではこれまで、LinuxベースのHPCを構築していた。今回Windowsベースのシステムを採用することについて教授の三木氏は、「1テラを実現して以来、一般企業からも注目されたが、われわれは計算を専門とする企業ではないため、最終的には計算を企業側にゆだねることになる。Linuxの知識を豊富に持つ企業であれば、われわれのノウハウを提供するだけでシステムの管理ができるが、特に中小企業などではLinuxの管理が難しいケースが多い」として、産業界にHPCを普及させるためにWindowsベースのシステムを導入する必要があると述べた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
クラウド基盤

関連ホワイトペーパー

SpecialPR