高付加価値ソリューションの普及を促進する--2006年のIBMソフトウェア事業戦略

山下竜大(編集部) 2006年03月09日 21時19分

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 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は3月9日、2006年の日本IBMソフトウェア事業部における戦略に関するプレス向けの説明会を開催した。2006年、日本IBMソフトウェア事業部では、「高付加価値ソリューションの普及促進」「オープンスタンダードの推進」「日本市場に適したビジネスの推進」の大きく3つの戦略を推進していく。

「高付加価値ソリューションの普及を促進する」と日本IBMの三浦氏。

 日本IBMの常務執行役員 ソフトウェア事業担当である三浦浩氏は、「IBMのソフトウェア事業の基本戦略は、インフラ部分に注力することであり、アプリケーションパッケージ分野には進出しないということ。アプリケーションパッケージの分野は、あくまでもパートナー企業との協業により推進していく分野であり、これは1999年より変わっていない」と言う。加えて2006年に取り組んでいく分野として三浦氏が挙げたのが、先の3つの戦略だ。

 まず、高付加価値ソリューションの普及促進では、特に、SOA(サービス指向アーキテクチャ)やコンプライアンス、ポータル、ITIL、ITライフサイクル管理(ITLM)の5つの分野にフォーカスし、普及を促進していく計画だ。高付加価値ソリューションとは、複数のミドルウェアにサポートサービスやコンサルテーションを組み合わせることで、より高い価値を顧客に提供できるソリューションを指している。

 新たな取り組みとしては、フォーカスする5つの分野で提供している約20種類の高付加価値ソリューションを、2006年中に30種類程度に拡大するほか、30人規模のセールス/プロモーションチームを2006年3月1日付けで新設し、IBMのハードウェア部門、サービス部門、コンサルティング部門などと協業することで、高付加価値ソリューションを強化する。

 また、オープンスタンダードの推進では、オープンソースコミュニティに貢献することで、IBMのミドルウェア担当技術者の裾野を広げる取り組みを展開する。IBMではすでに、オープンソースの統合開発環境である「Eclipse」やデータベースの「DB2 Universal Database Express-C」、Apache Geronimoをベースとした「WebSphere Application Server Community Edition」などを無償で提供している。

 三浦氏は、「20年前、IBMはオープンな会社ではなかった。当時は、どのベンダーも独自の技術を使用して、手組みのアプリケーションを構築することが競争力だった。しかし、1990年代以降は、オープンスタンダードを推進することこそが競争力となっている」と話す。

 IBMでは、Rational Unified Process(RUP)の一部を寄贈したり、Ajax Tool Frameworkの提供やProject Higginsへのコード提供など、オープンソースコミュニティへの貢献も続けている。そのほか2006年11月1日には、IBMをはじめ、BEA Systems、Oracle、SAPなど8社による開発言語に依存しない次世代SOAのオープン仕様「Service Component Architecture(SCA)」の策定に向けた取り組みも発表している。

 さらに日本市場に適したビジネスの推進では、データ統合ソフトウェアを提供するAscentialや、ネットワーク管理ソフトウェアを提供するMicromuseなど、IBMが買収した企業のビジネスや製品を日本国内でも展開していくほか、ISVやシステム・インテグレーター(SI)などのパートナー企業との協力関係を、より一層強化していく計画だ。

 三浦氏は、「すでに、カジュアルウェア専門店チェーンのポイントが、店舗の経理効率化と、より戦略的な商品開発や店舗展開を目的に、売上情報や経費データなどを扱う同社の経営情報システムをSOAベースで刷新する計画を発表しているほか、IBMのインフラ上で動作するSOA対応アプリケーションを複数のISVが協業して開発するという取り組みも行われている。IBMとビジネスパートナー企業、顧客企業のバリューチェーンは確実に強化されている」と話している。

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