「今の経営」を示すSFAの導入に業務を熟知したIT部門が活躍

石田巳津人(月刊ソリューションIT編集部) 2006年03月20日 18時00分

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先進企業のビジネスとITの融合術を示す/デンセイ・ラムダ

 デンセイ・ラムダは2005年秋、パッケージソフトを使ってSFAシステムを刷新した。狙いは、営業プロセスを改善するとともに、リアルタイムな経営状況や問題点を定量データとして経営陣に示すことにあった。

 導入に際しては、過去のERP展開で業務スキルを磨いたIT部門が大きく貢献した。

数字の裏付けがないと経営者は動かせない

 「どの企業でも『経営者は現場のことを理解してくれない』という悩みを現場は抱えていると思います。ただ、経営者というのは数字の裏付けがないと行動を起こさないもの。現場の意見や問題提起も定量データとして伝えていく仕組みが必要です」

デンセイ・ラムダ
執行役員SPS営業本部長
熊澤 壽氏

 こう話すのは、電源メーカー、デンセイ・ラムダの執行役員SPS営業本部長の熊澤壽氏だ。

 同社は2005年3月期連結で約341億円を売上げたが、そのうちの8割を占める主力製品のスイッチング電源を扱うのがSPS営業本部だ。

 同本部では、2005年4月からソフトブレーン「eセールスマネージャー」によるSFAシステムを実験導入。10月から本稼働に切り替えた。「ロータス ノーツ」をカスタマイズして使っていた旧システムを進化させたものだ。冒頭の言葉には、その動機が表わされている。

 同社の商談は、開始から債権回収まで1年以上かかることがしばしばで、いわゆる「足の長い商談」が多い。そのため同社のSFAは、単に営業プロセスを管理するためのものではない。経営状況をリアルタイムに把握するツールとなる。

 「経営陣がP/LやB/Sで把握する現状は、1年も前の営業活動の結果に過ぎません。それでは今の経営状況は分からず、将来に向けて有効なアクションが起こせません。今の状況を知るには、営業プロセスが見えるSFAが不可欠と言えます」(熊澤氏)。

IT部門がERP導入で業務スキルを獲得

 熊澤氏が自分が担当するSPS営業本部に限って、新SFAシステムを導入しようとしたのには理由がある。

 「全社導入しようとするとかかわる人が増え、意見がまとまらず、動きが遅くなります。それと最初から満足できるシステムはできません。試験的に運用してある程度データをため、有効性を実証してから社内で広めるつもりでした」(同)。

 導入プロジェクトでは、熊澤氏がプロジェクトの責任者となり、IT部門と二人三脚でパッケージ選定からギャップ分析、要件定義までを進めた。その際、「営業のプロセスを理解しているIT部門の存在が心強かった」と熊澤氏は話す。

 デンセイ・ラムダは2001年から2003年にかけ、生産から物流、販売仕入、会計までに及ぶ、それまでのメインフレーム4台で構成された基幹系システムを、SSAグローバルのERPパッケージ「Baan ERP」で刷新している。その時の「人的資産の蓄積」が、SFAシステム導入プロジェクトに生かされたという。

 「ERP導入以前は、メインフレームやネットワークの保守ばかりやっていたIT部門も、全業務でERPを導入するとなると、生産や営業の実際のビジネスを知らなくてはなりません。現場に入り込んで身をもって習得していました。それで、ビジネススキルをかなり上げたと思います」と、熊澤氏は当時を振り返る。

 実は、熊澤氏はERP導入当時、管理本部長としてプロジェクトの陣頭指揮に当たった。自身が「IT部門の役割とは、情報インフラの整備や事務合理化のサポートではなく、IT改革によって会社を変えること。ITのスペシャリストであるとともに、ビジネスのゼネラリストとなるべき」と、IT部門スタッフに訴えかけていた。

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