国産エンジンと実績が強みのアクセラテクノロジ - (page 2)

柴田克己(編集部)

2006-04-14 11:29

エンジンだけでない「ノウハウ」が強み

 自らの手で開発し、洗練を続けてきた検索エンジンの優位性もさることながら、進藤氏は、企業内検索の分野においてアクセラテクノロジが誇れる最大のセールスポイントを「早くから検索分野に取り組んで、ソリューションを提供してきた実績」であるとする。

「企業内検索というのは、検索サーバのパッケージを導入して、それですぐに動き出すという性質のものではない。実際には、導入後に社内のさまざまなシステムとつなげていくための技術的な調整や、場合によっては情報が存在する部署間でコンセンサスをとるといった組織内での調整も必要になってくる。これまでの導入の実績で得られた知見から、顧客のニーズに合わせて情報環境のアセスメントを行ったり、さまざまな導入サービスを提供できる点もアクセラの強みとなる」(進藤氏)

 また、こうして導入した検索システムが、企業の中で十分に使われるようになれば、情報系のシステムでありながら、ある意味でミッションクリティカルな要件を求められるようにもなってくる。自社開発の検索エンジンを利用した検索システムであれば、何か緊急の問題が起きた場合でも、迅速な対応とサポートを行えるところも競合にはないポイントだと進藤氏は言う。

人と情報のネットワーキング

 アクセラテクノロジが今後提唱していくエンタープライズサーチのコンセプトは「人と情報をネットワーキング」させることであるという。これは、企業の中で働く「人」と、その人々によって生み出された「情報」との関係性を、検索システムの中に組み込んでいくという考え方だ。

 これには、企業内に存在する「情報」に対する信頼度や重要度などの評価に、その情報を作成したり、参照したりした「人」の情報を利用するというやり方も考えられる。例えば、社内で何度も参照されている「信頼度の高い情報」を作成した人がいるとすれば、その人が作成した他の情報も、同様に信頼度が高いだろうと判断する方法だ。すなわち、グーグルのPageRankのような情報の評価方法を、企業内検索の場合は、情報にかかわる人を利用して行えるのではないかという考え方である。

 また、最近一部で関心が高まっている「イントラ(社内)ブログ」を、評価のためのメタ情報として利用するといった方法も考えられる。つまり、イントラブログ内のあるエントリから、社内のある共有ドキュメントにリンクが張られている場合、このエントリの内容をそのままリンク先のドキュメントに対するメタ情報として使える可能性もある。

 こうした形で、企業内の「人」と「情報」をつなぎ合わせていく仕組みを用意することにより、より高度な情報活用ニーズに応えるソリューションの提供が可能になるだろうと、進藤氏はビジョンを描く。

 さらには、「アクセスログやメール系アーカイブ、社内に存在するコンテンツ自体に対してクローリングを行い、監視や監査を行うことで、検索プラットフォームは内部統制系のニーズにも応えられるようになる」(進藤氏)とし、検索という技術の応用範囲は非常に広い点を強調する。

「単なる検索エンジンのパッケージ販売で終わらず、こうしたビジョンまでを含めたソリューションを提供していくことで、検索プラットフォームは“あったらいいね”というレベルの製品から“なくてはならない”システムへと進化できると考えている」(進藤氏)

人と情報のネットワーキングイメージ図 アクセラテクノロジの「人と情報のネットワーキング」に対するアプローチのイメージ図。ドキュメントの参照ログやブログ内情報などをメタ情報として活用し、より企業のニーズにあった検索結果の提示を可能にしていくというコンセプトだ。

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