BEA、顧客対象を経営者層に拡大 - (page 2)

文:Martin LaMonica(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)

2006-04-17 11:34

 BEAは、AquaLogic Composer製品を今後6〜12カ月の間に順次投入していく予定である。Patrick氏によれば、同製品は、2005年に初めての製品が発表されたAquaLogicラインが網羅していない分野を対象とするものになるという。

 Composerスイートを利用すると、新たにコードを記述しなくても、前もって作製されたコンポーネントを用いて複数のシステムを接続し、アプリケーションを連携させることができる。こうした機能は、JavaをベースとしたBEAの「WebLogic」開発ツールやインフラストラクチャソフトウェアには存在しなかったものだ。

 都市計画にたとえると、JavaソフトウェアであるWebLogicは建物を建造するもので、一方AquaLogic製品は街を設計する役割を果たすと、Patrick氏は述べている。アーキテクトやビジネスアナリストは、前述のたとえで言えば建物に当たるスタンドアロンのプログラムを記述する代わりに、アプリケーション間の依存関係や適切なハードウェアの確保、パフォーマンス、アプリケーション利用を制御するポリシーといった問題を扱う。

 またAquaLogicは、Javaを主要なプログラミング言語とし、「Java 2 Enterprise Edition application(J2EE)」サーバ上でこれを動作させるというBEAの従来の姿勢と真っ向から対立するものでもある。

 Patrick氏はこの件について、現実的には、SOAに取り組んでいる企業顧客の大半が多様な標準規格やプログラミング言語を扱っていると話した。

 「(AquaLogicは)Java製品というわけではないし、J2EEやWebLogicとだけ密接に結びついたものでもない。WebLogic上でのみ稼働するような自由度の低い作りにはなっていない」(Patrick氏)

再三におよぶ他社買収

 製品の拡充を図るため、BEAは2005年に数社の企業を買収した。中でも規模が大きかったのが、2005年8月に取得したポータルソフトウェア企業Plumtreeと、2006年に入り取得したFuegoとの契約である。Fuegoは、ビジネスプロセスを自動化するビジネスプロセス管理(BPM)ソフトウェアを提供していた企業だ。

 BEAはオープンソース製品をサポートしているが、そうした中これらの買収を経たことで、AquaLogicを用いて作製したアプリケーションはJavaでもMicrosoftの.NETサーバでも稼働させられるようになったと、Patrick氏は話している。

 しかし、新たな製品ラインがBEAの既存のWebLogic製品と重複しているという事情もあり、同社の新戦略に対して懐疑的な見方をする者もいる。

 BEAの競合社であるCape ClearのCEO、Annrai O'Toole氏は、FuegoとPlumtreeの製品を取得したことで、標準ベースであったBEAの製品群にプロプライエタリ技術が加わった点を指摘した。

 同氏はブログに、「SOAはオープンスタンダードなくしては成功しない。プロプライエタリ技術をいくら手に入れても、SOAをサポートしていくという意味では役に立たないのではないだろうか」と記している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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