Oracleは米国時間4月25日、PeopleSoft、J.D. Edwards、Siebel Systemsのソフトウェアの新版開発を2013年までに中止する計画を撤回し、新たな「Applications Unlimited」プログラムを発表した。
Oracleは同プログラムにしたがって、PeopleSoft、J.D. Edwards、Siebel Systemsのアプリケーションの新版リリースを当面続けていくことになる。同社は以前、2013年以降は3社のソフトウェアに対するサポートを取りやめると述べていた。
現在Oracleは、3社の技術を次世代アーキテクチャ「Oracle Fusion」に統合する作業を進めている。しかし、今回の決定により、Oracle Fusionのアプリケーションが登場すると見込まれる2008年以降も、3社のアプリケーションのアップデートが提供されることになった。
Oracleのアプリケーション戦略担当シニアバイスプレジデントJesper Andersen氏は、「新たなプログラムは顧客に対する保護的措置であり、顧客自身も望んでいたものだ」と述べている。例えば、PeopleSoftを利用している大企業ユーザーなどは、複数の国をまたいでアプリケーションを再配備していくのに、より多くの時間が必要だという。
Andersen氏によれば、Oracleはサポート中止期限を撤廃するとともに、3社の製品ラインに対して、専従の開発チームとゼネラルマネージャーを割り当てるという。また、PeopleSoft、J.D. Edwards、Siebelのユーザーからは、使用しているソフトウェアの製品計画に関するフィードバックを募っていくという。
アナリストらは、新版リリース中止期限の延期は、Oracleにとってもその顧客にとっても好ましいことだと指摘している。
A.G. Edwards & SonsのアナリストKevin Buttigieg氏は、「前にOracleから聞いていたものよりも、さらによい決定が下された。Oracleは以前からサポート期限を延長すると話していたが、今回のように無期延期になるとは想像していなかった」と話した。
競合社であるSAPがOracle Fusionのリリース時期や移行のしやすさなどに対する疑念を口にして顧客を奪い取ろうとしていることに、Oracleはプレッシャーを感じているのではないかと、Buttigieg氏は考えているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ