IBMが「Lotus Notes」のアップグレードを発表した。同製品は、オフィス生産性アプリケーションへのアクセスを可能とする機能を備えるだけでなく、OpenDocument Format(ODF)をサポートしている。
Lotus Notesの新版(開発コード:「Hannover」)では、ワードプロセッシング、スプレッドシート、プレゼンテーション、数値データ解析などの機能をもった「IBM Workplace」製品が利用できるようになる予定だ。IBMはこれらのアプリケーションを「office productivity editors(オフィス生産性エディタ)」と呼んでおり、これらがすべてOpenDocument Formatをサポートする。
ODFは、ファイルを作成、使用する際に特定のソフトウェアアプリケーションに依存しないXMLベースのファイルフォーマットのこと。ODFファイルをサポートしているアプリケーション間ではファイルをインポートしたりエキスポートしたりすることが可能になるため、異なるソフトウェアアプリケーションを使用している人同士が同一のドキュメントに対して作業をすることが可能になる。
Lotus NotesではODFがネイティブサポートされるため、ユーザーは容易にファイルを作成、表示、編集、保存することができるようになる。
次期Lotus Notesのベータ版は、2006年秋にリリースされる予定だ。またIBMは電子メールや連絡先アプリケーション用の新しいインターフェースを開発している。IBMの関係者によると、その新バージョンでも旧バージョンのコンテンツが利用できるようになるという。
IBMは現地時間5月16日の午前に、独カールスルーエで開催されている「Deutsche Notes User Group」カンファレンスで、今回の発表を行った。
Workplace担当シニアプロダクトマネージャーArthur Fontaine氏はCNET News.comに対し、「今後リリースされるHannoverには、Workplaceクライアント技術を組み込む」と述べた。「(Lotus Notesは)Eclipseのリッチクライアントプラットフォームがもつ、クロスプラットフォーム環境のためのサーバ管理機能を継承する予定だ。それによりユーザーはWindowsだけでなくLinuxを動作させることが可能になる。近々、Macにも対応する予定だ」(Fontaine氏)
これは、次期Lotus Notesでは、サーバ上での運用方法が変わることになる。Workplaceでは現在、ブラウザを介してサーバからデスクトップクライアントを管理することができるほか、各種のオフィス生産性エディタをオンデマンドで導入したり、これをあらかじめ設定されたユーザーの権限に基づいて行わせたりすることができる、Hannover版でもこのような運用が可能になる。
IBMのWorkplaceソフトウェアは以前、ODFをサポートしていた。これは、Microsoft Officeを使用せざるを得ない状況から企業を解放するためにファイルフォーマットを統一しようとする動きが大きくなり始めた頃のことで、同社はこの動きにかねてより賛同していた。
5月初旬、国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)はODFを国際標準規格として承認した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ