IBMは、自社のクラスタ製品でハイパフォーマンスコンピューティングを実現するために、ClearSpeed Technologyが開発した高性能マザーボードを採用する計画だ。発表は米国時間6月27日の予定。
ClearSpeedは、他のチップベンダーやサーバベンダーが自社製品を増強するために利用できるコプロセッサとマザーボードを開発している。ClearSpeedの「Advance」アクセラレータボードは、2006年後半に、IBMの「System Cluster 1350」に搭載される予定だと、ClearSpeedのプレジデント、Michael Calise氏は述べた。
ハイパフォーマンスコンピューティングは、長年にわたり、クラスタモデルを利用する方向に向かってきている。多数のプロセッサを搭載した大規模サーバを利用するより、IntelやAdvanced Micro Devices(AMD)のプロセッサを1つか2つ搭載した多数のさまざまなサーバを接続するほうが安価で簡単なことに企業や大学は気づいていると、米国のマーケティングマネージャー、Peter Foulkes氏は言う。しかし、一方で、IBMのPowerプロセッサベースのサーバなど対称型マルチプロセッサ(symmetric multiprocessing:SMP)をサポートした大規模サーバで、大容量の共有メモリや強力なプロセッサを利用する必要があるのも事実だと、Foulkes氏は指摘する。System Cluster 1350は、この両方のタイプのシステムをあらかじめ1つにパッケージングしたもので、顧客が自分で統合する必要がないという。
しかし、Calise氏によると、このアーキテクチャだけでは、ClearSpeedの専用コプロセッサが実現できるような浮動小数点演算能力は得られないという。ClearSpeedのアクセラレータボードは、浮動小数点演算を必要とするアプリケーションをクラスタサーバがコプロセッサ側で処理できるようにするため、余ったプロセスリソースは他の作業に利用できる。これにより、システム全体の効率性が高まり、また、ClearPeedのマザーボードの消費電力が他のほとんどのプロセッサより少ないことから、消費電力を減らすこともできるとCalise氏は説明する。
Foulkes氏によれば、ClearSpeedのボードは今のところ、IntelまたはAMDのチップを採用したx86サーバでしか利用できないという。ClearSpeedはIBMとの連携の一環として、サポート範囲をIBMのPowerプロセッサにまで広げるための検証を行っているところだ。
AMDは先ごろ、自社の「Opteron」プロセッサをオープンにして、コプロセッサのベンダーがOpteronプロセッサに直接接続できるようにする計画を発表している。しかし、Calise氏は、ClearSpeedがAMDの「Torrenza」計画に参加しているかどうかについては言及を避けた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ