マイクロソフトを辛らつに批判--レッドハット幹部、セキュリティ対策を語る

藤本京子(編集部) 2006年06月29日 21時12分

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 レッドハットは6月29日、米国Red Hatのオープンソース担当副社長で、Open Source Initiativeの会長を務めるMichael Tiemann氏の来日記者会見を開催した。その中で同氏は、Microsoftを辛らつに批判した。

 Tiemann氏は、Microsoftのセキュリティ対策への投資額について触れ、「セキュリティは、お金をかければ解決できるというわけではない」という。Microsoftが、2002年にセキュリティ対策として1億ドルを投資すると宣言し、翌年それが2億ドルへと増加し、その半年後に5億ドルへと増加した例を出し、「投資額をどんどん増やしているが、結局解決できたとはいえない」と指摘する。

Michael Tiemann氏 セキュリティ対策についてみっちり2時間かけて説明したMichael Tiemann氏

 また同氏は、「セキュリティ専門家が指摘したところによると、Microsoftは4月にセキュリティパッチを公開した際、脆弱性の数を隠して報告していた」という。同社が提供した1つのパッチが、実は7つもの脆弱性を修正するものだったというのだ。「これは企業ユーザーにとって許されないことだ。真実を公開すべきだ」(Tiemann氏)

 Tiemann氏は、Red Hatのセキュリティへの取り組みについて説明し、「皇居のセキュリティが、お堀や高い壁、警備員など複数の方法で徹底的に守られているのと同じで、コンピュータのセキュリティも多層的に防御する必要がある」と述べた。

 Tiemann氏は、Red Hatの施すセキュリティ対策の一環として、ExecShieldプロジェクトとSELinuxについて紹介した。これらは、Red Hat Enterprise Linux上で実行可能なセキュリティ機能だ。ExecShieldは、ソフトウェアの欠陥の種類として一番多いとされるバッファオーバーフローを阻止することができ、SELinuxは、攻撃の影響を最小限に抑えることができる。

 ExecShieldは、複数の技術を実装している。まず、CPU上のNX(No eXecute)やEDB(Excute Disable Bit)などの技術をサポートし、悪意のあるコードが実行されないようマーキングする。また、バッファオーバーフローが狙うコンピュータの道筋をランダム化し、コンピュータが機能を呼び出すための場所をわかりにくするようにする。さらに、実行時検知が強化され、プログラムが悪用されていないかチェックするほか、バイナリをマーキングして、コンパイラとOSの互換性を確保する。

 一方のSELinuxは、米国家安全保障局(National Security Agency:NSA)が中心になって開発したLinuxカーネルのセキュリティ拡張モジュールで、2000年12月に公開された。2003年にはRed Hatのディストリビューションに統合されている。

 SELinuxが実装されたマシンでは、万が一ルート権限を持った攻撃者が侵入した場合でも、マシンに害を与えることができない。SELinuxでは、すべてのインターフェースやアプリケーションなどにフラグがついており、権限を与えるかどうかをそれぞれ設定しなくてはならず、パスワードファイルなどの重要なファイルにアクセスする権限を奪うためだ。Tiemann氏は、「過去2年間に、SELinuxが実装されたLinuxは一度もRemote Root Exploit攻撃を受けたことがない」と述べた。

 SELinuxは、これまで実装が困難だといわれていたが、Tiemann氏は「テンアートニなどのパートナー企業がポリシー設定ツールなどを提供しており、競合のNovell AppArmorなどと同等レベルで設定が可能だ。セキュリティに関しては、AppArmorよりもSELinuxの方がずっと優れている」とアピールした。

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