「低コストなネットワークストレージはiSCSIで」--HPからiSCSI対応新型ストレージ

藤本京子(編集部) 2006年07月06日 17時43分

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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は7月6日、「HP StorageWorks」シリーズの新製品として、iSCSI対応のディスクアレイや仮想ライブラリを発表した。ミッドレンジからローエンドの製品までをiSCSI対応とすることで、「中小規模環境でもネットワークストレージが低コストで導入できるようになる」(日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ストレージワークス製品本部 本部長 渡辺浩二氏)としている。

 渡辺氏は、現状のストレージ環境の問題点のひとつに、データが分散していることを挙げる。データが分散しているために、「管理が複雑化し、コストの増大やダウンタイムに結びついてしまう。また、データの透過性が失われ、意志決定も遅れてしまう」と渡辺氏。そこで、会社の規模にかかわらずデータの集約やストレージ統合が必要だと同氏は主張するが、ここで更なる課題に直面する。ストレージをネットワーク化して統合するにはファイバチャネルが使われることが多いが、ファイバチャネルは非常に高価で、ストレージに大型投資できない企業も存在するためだ。

渡辺浩二氏 iSCSI対応ストレージの利点について説明する日本HPの渡辺浩二氏

 「HPの提供するStorageWorksとProLiantで、こうした課題が解決できる」と渡辺氏はアピールする。HPが6月に発表したx86サーバ「HP ProLiant 300シリーズ」などは、iSCSI対応の「マルチファンクション Gigabitネットワークコントローラ」を標準搭載しており、これらのサーバと今回同社が発表したiSCSI対応ストレージ製品を組み合わせることで、特別な機器を用意することなくSAN環境が構築できるようになるためだ。iSCSIによるSAN環境は、ファイバチャネルSANの数分の1のコストで実現できる。

 日本HP ストレージワークス製品本部 プロダクトマーケティング部 部長の大内剛氏は、iSCSIがすでに数年の実績がある技術にもかかわらず、導入が進まなかった背景として、「ベンダーがトータルソリューションとして提供していなかったため、ユーザーがiSCSIを選択肢として考える機会がなかったことや、導入のための環境を独自で準備する必要があったことなどが理由だ」と述べる。HPのサーバとストレージがセットでiSCSI対応となったことで、「安価で容易にiSCSI型ネットワークストレージが導入できるようになる」(大内氏)

 今回発表したストレージ製品は、記憶容量が最大16テラバイトのエントリークラスのディスクアレイ「HP StorageWorks Modular Smart Array 1510i(MSA1510i)」(71万4000円〜)、ディスクベースのバックアップ用仮想ライブラリ「HP StorageWorks 1002i Virtual Library System」(71万4000円〜)、既存の「EVA4000」「EVA6000」「EVA8000」にiSCSI接続機能を付加するキット製品「HP StorageWorks Enterprise Virtual Array iSCSI接続キット」(145万9500円〜)、ハイエンドストレージ向けのiSCSI対応ホスト接続用モジュール「HP StorageWorks XP12000/10000 8ポートGb iSCSI CHIP」(価格は個別見積もり)だ。仮想ライブラリは8月上旬の出荷予定で、その他の製品は7月下旬に出荷を開始する。

 HPでは、今後もiSCSIを使ったネットワークストレージを推進していく。ただし、iSCSIはファイバチャネルほどのパフォーマンスや信頼性があるわけではない。渡辺氏は、「導入実績と信頼性においては、やはりファイバチャネルが上。将来的にiSCSIのパフォーマンスが上がれば、ハイエンド環境にもiSCSIが提案できるかもしれないが、当面はハイエンドではファイバチャネルを、コスト重視のケースにおいてiSCSIを提案する」と説明した。

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