「低リスク、短期間、低コストでPowerBuilderアプリをウェブアプリに」--アピオンCEO

山下竜大(編集部)

2006-08-02 01:22

 2000年に設立されたAppeon Corporationは、Sybaseの4GL開発ツールである「PowerBuilder」で開発されたクライアント/サーバ(C/S)アプリケーションをウェブアプリケーションに移行するマイグレーションツール「Appeon for PowerBuilder」および関連するプロフェッショナルサービスを提供するソフトウェアベンダー。PowerBuilder関連ビジネスが中心の同社は、2002年にはSybaseとの提携も発表している。

 現在、PowerBuilder、Java、.Netに対応可能な200名以上のエンジニアを有するAppeonでは、2001年には研究開発(R&D)センターを中国の深センに設立。現在では、カリフォルニア州エメリーベル、北京、香港にもオフィスを開設し、より一層のビジネス拡大を目指している。そこで、Appeon社長兼CEO(最高経営責任者)であるRaymond Chiu氏に、同社の現状と今後の戦略について話を聞いた。

--Appeonのビジネスの現状について聞かせてください。

 我々は、PowerBuilderで開発されたC/Sアプリケーションをウェブアプリケーションにマイグレーションすることを主なビジネスとしています。PowerBuilderのライブラリやDataWindowオブジェクトを有効に活用しながら既存アプリケーションをウェブアプリケーションに効率的にマイグレーションするのです。

 PowerBuilderはC/Sアプリケーション開発環境としては非常に優れた4GL開発ツールですが、ウェブアプリケーション開発には不向きでした。Appeon for PowerBuilderにより、PowerBuilderで開発したユーザーインターフェースやソースコードをJ2EEに自動変換するすることが可能になります。

--Appeonのビジネスがなぜ注目されているのでしょう。

 企業の経営者は、リスクやコスト、多くの時間が必要なことなどの理由から、既存のアプリケーションをJavaや.Netで一から作り直すことには否定的です。また、Javaや.Netによる開発のためには、Javaや.Netの教育を受けることも必要であり、これにも時間とコストが必要です。

 Appeon for PowerBuilderを使うことで、低リスク、短期間、低コストでPowerBuilderアプリケーションをウェブアプリケーションにマイグレーションできる仕組みを提供できます。こうした機能が、PowerBuilderユーザーを中心に受け入れられているのでしょう。

 このような取り組みにより、一昨年5倍、昨年3倍とビジネスを拡大することができました。今後もAppeon for PowerBuilderのメリットを訴求していくことで、ビジネスをさらに拡大していきたいと思っています。

アピオンのChiu氏 「日本法人の設立も考えてはいるが時期尚早。しばらくはSybaseの日本法人と協力して日本市場でのビジネスを確立したい」と話すAppeonのCEO、Raymond Chiu氏。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]