「業務」を中心に据えた検索エンジンの導入が成功のカギ--ジャストシステム - (page 2)

柴田克己(編集部)

2006-08-30 22:32

情報の「見える化」と「見つけやすさ」

 では、その成果は、実際の製品にどのように反映されているのだろうか。

 ConceptBaseでは、前バージョンの「IV」以降、情報の「見える化」を目指した機能強化を行っているという。これは、共有されているデータに対して「なぜ、その情報がそこに存在するのか」「誰が作ったのか」といった情報を付加することで、そのデータの情報としての価値が「見える」ようにするというものだ。

 具体的には、それぞれの文書やデータに付加されているメタデータを利用する。例えば、オフィス文書の作成者情報や、Excelなどで作られた表形式のデータに書き込まれている属性情報などがそれにあたる。検索エンジン側で、それらを自動的に認識し、絞り込み検索や、検索結果の分類を行えるようにしている。

「設計部門や営業部門には、それぞれの部門で扱う業務に特化したデータの形式がある。ひとつの検索エンジンで、それぞれの業務に適用できるようなユーザビリティを持たせている」(三谷氏)

 Vでは、この「見える化」をさらに推し進め、必要な情報へ「最短距離」でたどり着くための機能を強化しているという。「キーワードや自然文を入力して検索し、結果の一覧を出す」というオーソドックスなスタイルのほかに、検索の「視点」(方法)をあらかじめ登録しておき、クリック操作のみで検索結果にたどり着ける「ビューポイント」機能などがそうだ。

 また、属性情報をもとに、検索結果を2次元のマトリックス上に分類して表示する「サーチリザルトナビゲーション」も特徴的な機能だろう。ユーザーは、縦軸と横軸に当たる属性情報を切り替えて、検索結果として提示された文書の全体的な傾向を把握することができる。

サーチリザルトナビゲーション画像 文書の属性情報を軸にして、検索結果を2次元のマトリックス上に分類して表示できる「サーチリザルトナビゲーション」機能。検索された情報の重要性を、個々のユーザーが判断するためのガイドとなるものだ。

 この機能には、「情報の重要さを最終的に判断するのは、検索エンジンではなくユーザーであり、その判断を助けるためのガイドとして技術的に可能なことを最大限に実現する」というConceptBaseの思想が反映されている。

 セキュリティやアクセス権の反映、あらゆるタイプのデータに対するインデクシングといった、企業内検索に必須とされる機能は既にConceptBaseでも実現可能だ。情報の棚卸しや業務プロセスの見直しといった、人的、組織的な問題をクリアした環境に、ConceptBaseをツールとして組み込み、その得意とする個々の業務プロセスに特化したソリューションを構築することで、本当の意味でのナレッジマネジメントが実現できるというのが、ジャストシステムのメッセージである。ひいては、それが同社の考える「真の競争力を生む検索システムの条件」ということになるだろう。

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