多彩な業種、職種で実績
検索エンジンによって、自律的に収集、分類された情報を、さまざまな形式でプレゼンテーションできるのもIDOLの特徴だ。
エージェントによる、特定のテーマに関する情報の自動収集機能なども、そのひとつである。
また、検索結果のビジュアライズ(視覚化)機能も洗練されている。例えば、時系列に沿って「注目されているニューステーマの推移」を色別に表示するといったことも可能であり、こうした表現によって、「あるテーマから、どのようにテーマが枝分かれしながらニュース化されているか」といった流れを大局的に把握することが容易になる。また、任意の属性情報を軸にした、検索結果の2次元、3次元へのマッピングなども行える。これらの機能は、特にマーケティング、研究開発分野などで人気が高いという。
「特に研究開発分野では、個々の研究者が、自分がどんな技術に携わっており、周辺ではどのような研究が行われているかといった状況を把握することが重要。そうしたニーズには、情報のビジュアライズが有効なケースが多い」(前波氏)
さらに、企業内の「人」を意識した「Know-Who」的な検索も実現可能という。これには、文書の作成者情報、IDをベースに自動的に収集したプロファイリング情報などをメタデータとして利用する。ある情報を「参照した人」「作成した人」に関するデータを手がかりに、そのテーマに対して専門性を持つ人物を特定し、フロントエンドでコミュニケーションがとれるようなツールを提供するという形だ。
具体的な導入事例も多い。航空関連の研究開発を行うBAE Systemsでは、専門技術を持つ3万5000人以上の従業員のデータを集約し、視覚化するポータルの構築にIDOLを活用した。社内で重複している仕事を発見することで、数百万ポンドの経費を節減し、約7カ月で投資を回収できたという。また、米国の国土安全保安局では、多種多様なデータソースを巡回、分析し、潜在的に危険な行動や不審なコンテンツを捜査官にリアルタイムに通報する「テロリスト対策情報基幹」システムにIDOLを利用している。日本でも、光学機器メーカーの研究開発部門や、カカクコムの「スペック検索」のエンジンとして同社製品が採用されているという。
「あらゆるタイプのデータに対するインデクシング、クローリング、セキュリティといった機能は既に当然の機能。オートノミーは、今後も必要な情報へより早くたどり着くためのデータへの意味づけや分類を、より高度に自動化する方向へ進んでいくと考えている」(前波氏)
なお、オートノミーでは、IDOLサーバをベースに構築した、業種別、職種別のソリューションも自社製品として複数展開している。日本においても、近日中に「Virage」と呼ばれる映像、音声の管理検索システムを発表予定という。