緊急の大量受注発生、そのときあなたは・・・--i2とMSが日本発のソリューション

藤本京子(編集部)

2006-10-20 20:11

 i2テクノロジーズ・ジャパンとマイクロソフトは10月20日、SCM(サプライチェーンマネジメント)ソリューションの提供において協業すると発表した。「Microsoft Windows Server 2003」、「Microsoft SQL Server 2005」、「Microsoft Office」などをベースとして、SCM専業ベンダーであるi2の技術ノウハウやコンサルティングサービスを組み合わせた日本の製造業向けSCMソリューション「Global Real-Time PSI」を協同で提供する。

 PSIとは、調達(Procurement)および製品(Product)、販売(Sale)、在庫(Inventory)のこと。Global Real-Time PSIでは、マイクロソフトの製品をコアに、プランニングからイベント管理、分析などの見える化、コラボレーションまで、グローバルな需給調整における迅速なPDCA(計画、実施、監視、改善)を支援する。

i2とMS 握手を交わすi2の佐藤氏(左)とマイクロソフトの平井氏(右)

 Global Real-Time PSIの中核として、両社はまず「Microsoft Office SharePoint Server 2007」で構築されたポータルソリューション「PSI Insightポータル」を提供する。PSI Insightポータルでは、パーソナライズされたダッシュボードで状況や問題が見え、ウェブ化されたExcelインターフェイスの分析レポートやOLAPで分析を行う。また、計画エンジンやMicrosoft Office Communicatorなどコミュニケーションツールにアクセスでき、関係者が連携して意思決定を行ってアクションにつなげることができる。

 i2テクノロジーズ・ジャパン ソリューション マーケティング ディレクターの山下和代氏は、「例えば、急遽大量な受注が発生した場合、この受注に応じることができるのか、瞬時に調べられる。また、応じられない場合の機会損失の影響やボトルネックとなっている部分についても示すことができる」と話す。

 i2テクノロジーズ・ジャパン 代表取締役社長 佐藤年成氏は、マイクロソフト製品を中核としたソリューションを展開することについて、「マイクロソフトのプラットフォームは、デファクトスタンダードとしてみな利用しており、操作性も高い。また、拡張性および接続性に優れた製品群がそろっている」としている。そこに、日本市場で過去10年に渡ってSCMソリューションを提供してきた専業ベンダーとしてのi2の専門性を加えることで、「使いやすくて使いたい、使い続けたいと思えるSCMソリューションが提供できる」(佐藤氏)という。

 一方、マイクロソフトは9月に新しい法人市場向けビジョン「People-Ready ビジネス」を発表したばかり。People-Ready ビジネスとは、企業にとって最も重要な経営資源である「社員」の潜在力を最大限に引き出すことでビジネスの成功につなげるというビジョンだ。

 今回の協業は、マイクロソフトにとって「People-Ready ビジネスのビジョンに基づいたソリューション第一弾」と、マイクロソフト 執行役 専務 エンタープライズビジネス担当の平井康文氏。i2との協業によりマイクロソフトは、「日本の製造業において、SCMに関わる人が組織や部門の壁を越えて連携し、ほしい情報に簡単にアクセスできる仕組みが実現する」(平井氏)と話す。

 同ソリューションは、i2が窓口となって20日より受注開始し、同日より業務分析とコンサルティングサービスを開始する。Global Real-Time PSIの提供は、2007年以降となる。両社は、販売パートナーの開拓を進めつつ、2007年度1年間で5社に導入することを目標としている。

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