「xfyとDB2の組み合わせは大きな可能性を秘めている」--ITアウトソーシングの効率化を実現した三共 - (page 2)

山下竜大(編集部)

2006-10-22 11:40

xfyとDB2の組み合わせによるシステムの導入前と導入後

 両社にとって効果的にITシステムを運用管理していくための重要なツールに位置づけられているアクティビティレポートだが、順風満帆の船出を迎えたわけではなかった。xfyとDB2を組み合わせたシステムを導入する前は、毎月このアクティビティレポートを作成することは、システム担当者にとって非常に重い作業であり、多くの作業時間を割かねばならなかった。

 三共が抱えていた問題を原木氏は、「レガシーデータおよびレガシーデータベースからデータを抽出するための作業は非常に難しいものだった。特に、CVSファイルを作成し、SQLデータベースから抽出したデータと組み合わせる作業には多くの時間が必要だった」と話している。

 そのころ原木氏は、以前より三共のシステム支援を行っていたジャストシステムの担当者からxfyの話を聞き、xfyとDB2の組み合わせによるXMLベースのレポーティングシステムに移行することを決定した。

 「xfyとDB2の組み合わせによるシステムを導入したことで、XMLデータを容易に抽出し、容易に組み合わせることが可能になった。これにより、これまで作成していたCVSデータを作成する作業が不要になっている」(原木氏)

 特にエンドユーザーは、これまで必要なデータを事前に抽出しておき静的に分析することしかできなかったが、xfyの機能を使用することでデータを必要なときにダイナミックに抽出し、分析できるようになっている。

 また、システムにおけるトラブル件数も大幅に減少。原木氏は、「2006年9月現在で、2004年に発生したトラブル件数に比べ、トラブルを66%にまで減少させることができた」と話している。

xfyとDB2の組み合わせによるシステムの今後

 原木氏は、今後の計画について「今回のトライアルにより、xfyとDB2を組み合わせたテクノロジを使用することで、異種のデータソースを有効に統合することが可能なことを確証した。次のステップは、このテクノロジを使用することで、会社におけるすべてのデータを統合することはもちろん、同様のトライアルをBW/SEMなどでも試していく計画だ」と話す。

 三共では今後、財務および会計モデルをはじめ、連結決算モデル、設備投資モデル、研究開発モデル、市場分析モデルなど、さまざまな分野において、xfyとDB2を組み合わせたテクノロジを活用していく計画だ。

 「xfyとDB2を組み合わせたテクノロジを活用することで、データはより価値のある情報として生まれ変わるだろう。どんなデータとも組み合わせることができる柔軟性と、必要なときにいつでも分析可能なリアルタイム性の実現において、xfyとDB2は大きな可能性を秘めている」(原木氏)

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