SOAとWeb 2.0でミドルウェア革命を推進するオラクル - (page 2)

山下竜大(編集部)

2006-10-25 22:05

 郵便料金計器や封入封緘機などのメーリングシステムを販売するPitney Bowesは、マーケティング部門、フィールドサービス部門、営業部門などでOracleのBI製品を展開している。これにより、米国内の130万を超えるユーザー企業の情報を総合的に管理できる仕組みを実現。TCO(総保有コスト)の削減とROI(投資利益率)の向上を実現している。

 次に、Kurian氏は、新しいユーザーインタラクション(UI)について紹介。Web 2.0に対応した次世代UI環境「Oracle WebCenter Suite」を紹介した。

 「エンタープライズアプリケーションの利用者は、さまざまな情報を、さまざまなシステムから抽出し、コンポジットアプリケーションとして取り込みたいと考えている。すでにポータル環境は提供しているが、それだけでは十分ではない。Web 2.0に代表されるAjax技術やRSSリーダー、Wikiなどの機能によりコミュニケーションのあり方が変化しつつあるためだ」(Kurian氏)

 Oracle WebCenter Suiteは、Web 2.0対応アプリケーションやポートレットなどを統合するための枠組みとなるWebCenter Framework、コンテンツ管理および検索機能、アプリケーション統合機能、Web 2.0コミュニティ統合機能、デスクトップ統合機能、モバイル&VoIPアクセス機能の6つのコンポーネントで構成されている。

 コンテンツ管理機能では、コンテンツインタフェース標準であるJSR-170に対応し、インターネット上に展開されているさまざまな機能をマッシュアップすることが可能。コンテンツは、データベースやファイルシステム、ドキュメントリポジトリなど、さまざまなデータソースを活用できる。

 Kurian氏は最後に、Identity Managementの機能について紹介した。Identity Managementは、複数のディレクトリサービスを仮想化することで、分散されたアプリケーションにセキュリティを保ちながら透過的にアクセスすることが可能。シングルサインオンをはじめとする効果的なアクセス環境を実現し、セキュリティ所有コストを削減することができる。

 ストレージメーカーであるNetwork Applianceは、Oracle EBSをはじめ、PeopleSoft、Siebel、SAPなど、さまざまなアプリケーションを導入してきた。これらのアプリケーションを管理することは複雑なプロセスが必要であり、コンプライアンスの面でも工夫が必要だった。そこで、OracleのIdentity Managementを採用。すべてのアプリケーションへのアクセスを、ひとつのテクノロジで標準化することが可能になっている。

 「Oracle Fusion Middlewareは、3万1000以上のグローバル企業に採用されており、7800のパートナー企業が販売、サポートしている。また、4780社のISV、3万8500社のSI、4500社のVAR、227の特許を持っている。多くの企業が、Oracle Fusion Middlewareを使用してIT環境の変革を進めている。この優れた能力をぜひ実感してほしい」(Kurian氏)

OracleのThomas Kurian氏 「3万1000以上のグローバル企業が、Oracle Fusion Middlewareを使用してIT環境の変革を進めている」と話すOracleのThomas Kurian氏。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]