NECとオラクル、次世代IT基盤に向けた戦略的技術協業の本格化をアピール - (page 2)

富永康信(ロビンソン)

2006-11-02 20:57

サーバ環境をシンプルにする3つの技術

 一方、「安心」を実現する技術について、NECではメインフレーム開発のノウハウを継承した、ハードとソフト、両面での信頼性をうたう。

 プラットフォームにおける信頼性では、オープンハイエンドサーバを実現したディペンダブル・サーバテクノロジー、無停止サーバのフォールトトレラント・サーバテクノロジー、分散冗長配置のディペンダブル・ストレージテクノロジーの3つ技術を用意。また、システム構築による信頼性では、フェールオーバー技術とフェールセーフ技術を用いたクラスタリングテクノロジーを提供。さらに運用サポートによる信頼性ではハイアベイラビリティ(HA)なITプラットフォームを提供できるという。

 そして「快適性」に関して、多種多様なサーバで混在している状況をシンプルに運用するために、NECでは3つの技術を用意する。

 その1つは、統合プラットフォームテクノロジーだ。企業内に分散したサーバを統合したいという要求に応えるため、NECが2006年7月に発表した統合プラットフォーム「SIGMABLADE」や統合管理ソフトの「SigmaSystemCenter」によってハードウェアの可視化や自動化を実現する。

 2つ目は、環境最適化テクノロジーである。電力や騒音等のマシン設置環境にも配慮し、省スペース省電力なブレードサーバや液冷式の静音サーバなどで、人に優しい環境配慮型の製品をそろえる。

 3つ目は、シンプルマネジメントテクノロジーだ。多様かつ複雑なコンピュータシステムを運用するには、多数の専門家のノウハウが必要となる。そんな課題に対応するため、「WebSAM」フレームワークにおける構成情報データベース(CMDB)の上に、ナレッジと運用ポリシー機能を搭載して、自律運用が可能な製品を提供している。これにより、運用負荷や維持管理コストの削減が実現するという。

NECとオラクルの技術陣がタイアップした成果

 また、丸山氏はオラクルとの協業にも言及し、「20年来の関係構築を踏まえ、2005年度より新たな協業ステージに入っている」と述べた。NECの技術陣とオラクルのサンノゼの技術陣がタイアップし技術開発を行った結果、2つの成果があったという。

 そのひとつは、NECのエンタープライズサーバ「NX7700」とOracle 10gとを組み合わせ、データベースサーバの高速フェールオーバーを可能にしたこと。実証実験では、ノード障害時のフェールオーバー時間が、従来の6分の1に短縮したという。

 もうひとつは、SigmaSystemCenterとOracle 10gのプロビジョニング機能との相互連携により、OSからデータベースまで、一貫したITリソースの動的再配置を実現したことである。負荷情報を検知して、ラックのノードに追加が必要だと判断した場合、ワンクリックですべてのITリソースの動的再配置が完了する仕組みだ。この技術によって、予備サーバの動的共有ができることとなり、ITリソースの削減によるコストダウンに寄与するという。

データベース連携動的プロビジョニング NECとオラクルの技術協業による成果のひとつとして紹介された「データベース連携動的プロビジョニング」。Oracle Enterprise ManagerとNECのWebSAM SigmaSystemCenterのプロビジョニング機能を連携することにより、OSからデータベースまでのITリソースを動的に再配置することが可能になったという。

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