SaaSで中堅企業にもBIを--ビジネスオブジェクツCEO

加藤恭子(ビーコミュニケーション) 2006年11月07日 18時11分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Business Objectsは、11月6日から8日の日程で米国サンフランシスコにてユーザーカンファレンス「Insight Amerias2006」を開催している。BI専業のベンダーとして4万社近くの顧客を抱える同社は、米国カリフォルニア州サンノゼとフランスのパリに本社を構え、世界各国の拠点で4400人の従業員が活動している。

 最高経営責任者(CEO)のJohn Schwarz氏は、2005年9月に現在のポジションに就任した。Schwarz氏は、25年間IBMに在籍し、その後SymantecのCOOとしてVeritas Softwareの合併に関わった後、Business Objectsへと移籍した人物だ。そのSchwarz氏に、Business Objectsの日本市場に対する戦略を聞いた。

--日本市場をどうとらえていますか。ご存知のように日本はGDPも世界第2位で、非常に大きなマーケットです。

 経済も低迷していたうえ、日本でのBIの導入は非常に遅れていました。ERPの導入も遅く、ようやくコアの基幹系システムが導入されたという印象です。しかし、ここにきて変わってきました。特に金融系、製造業において、BIの導入が進んでいる印象を受けています。

--そのような日本市場に対して、どのような戦略でアプローチするのでしょう。

John Schwarz氏 Business ObjectsのCEO、John Schwarz氏

 バーティカルなソリューションを提供していく予定です。特にテクノロジで変化をつけるつもりはありません。業種別にベストプラクティスを提供していきます。特に日本独自の点としては、日本のSIベンダーとパートナー契約を結び、彼らの提供するほかのアプリケーションとBusiness ObjectsのBIを連携させることです。

--日本でBIベンダーとしてのプレゼンスをあげていく予定ですか。EIM(Enterprise Information Management:信頼あるデータ基盤を提供するデータ統合ソリューション)やEPM(Enterprise Performance Management:全社的業績管理ソリューション)も提供していますが、どの製品を顧客に提案していくのでしょうか。

 BIとEIM、EPMはつながっているものと思っています。しかし顧客のニーズによって、まず何を提供するかが異なってきます。金融であればEPMだと思います。業界や顧客ニーズにあわせて提供していきたいと思います。

--SaaS(Software as a Service)が日本でも話題となっています。Business ObjectsはSalesforce.comとも提携していますね。ただ、Salesforceは大企業向けにもサービスを提供していますが、イベントの基調講演でBusiness ObjectsはSMB(中堅企業)をターゲットとすると話していました。なぜSMBなのでしょうか。

 Salesforceのように大企業もターゲットとしていますし、Salesforceとはパートナーとして今後も一緒にやっていきたいと思っています。ただ、今までBIのインフラの導入費用を負担に感じていた中堅企業でも、SaaSであればBIが利用できるといった意味で、SaaSを中心にSMBをターゲットとしたいと考えています。

--基調講演では、コミュニティを重視するという話も出ていましたね。コミュニティといえばオープンソースを連想してしまいますが、オープンソース化は考えていないとのこと。では、何をコミュニティに期待しているのでしょう。

 コミュニティには、データを作り出してもらうことを期待しています。当社のソリューションは、社内のデータを分析対象にするだけではなく、インターネットでつながった社外にあるデータも分析対象となります。よって、役に立つデータがたくさんインターネット上で提供されることを期待しているのです。Web 2.0的なマッシュアップのようなものだと思うのですが、たとえばGoogle Mapのように、ユーザー側が自社の住所などを登録することによって、さらに地図が価値のあるものになっていきます。BIの場合は、たとえば製薬業界であれば薬に関する情報、銀行であればリスクに関する情報やクレジットカードに関する情報など、皆がネット上に登録した情報が役立ちます。当社がその基盤となるプラットフォームを提供していきます。

--日本の話に戻りますが、2月に日本法人の社長に印藤公洋氏が就任しましたね。今後の日本ビジネスオブジェクツに期待することはどのようなことでしょうか。

 アジアパシフィックの売り上げは全体の7%で、日本はその約半分です。この数字は大きく聞こえるかもしれませんが、日本という国の経済のサイズから考えるとまだまだ小さいと思います。これからもさらにシェアを伸ばし、成長のけん引役を担っていってほしいと思っています。

--最後に、Business Objectsにとって競合はどこでしょう。

 まずは、Cognos、Hyperion Solutions、MicroStrategy、Informatica、SAS Instituteなどの従来型の中堅BIベンダーが主な競合です。他にも、SAP、Oracle、Microsoftなどの大手プレイヤーも競合といえます。ただ、これらの大手はBIに興味を示しているものの、まだ具体的な製品がありません。買収しようとしているのでしょう。わが社の強みとしては、国際的な知名度があることや、売上高の半分が米国以外からきているという点などがあります。今後もイノベーションのスピードを重視し、オープンという目標を掲げてビジネスを進めていく予定です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SpecialPR