日本品質とブロードバンド先進国の経験で勝負--SAと富士電機ITソリューション

ユユンジョン(ZDNet Korea) 2006年11月22日 17時23分

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 韓国企業であるソリューション・アソシエーツ(SA)は、3年前に会社を設立したときから日本企業である富士電機ITソリューションと資本提携を結び、日本市場進出のための足場を固めてきた。2006年、韓国市場に本格展開するための戦略を展開している。

 日本市場への進出を目指している韓国セキュリティ企業にとって、日本市場に進入するためには多くの障壁がある。同社も、進出初期から多くの課題を抱えていたが、2005年には1億1700万円の売上を達成した。日本市場において、堅調なビジネスを続けている秘訣と今後の戦略を、SAの代表取締役である全應曦氏と富士電機ITソリューションの常務取締役、渡辺裕氏に聞いた。

まずは日本市場進出で品質管理を学ぶ

SAの全應曦氏 ソリューション・アソシエーツ 代表取締役、全應曦氏。

--韓国企業にも関わらず、設立初期から日本市場に目を向けていたのは、どのような理由でしょう?

全 韓国のソフトウェア市場には限界があると思っていました。そこで、会社の設立初期から日本市場に注力したのです。日本市場は、韓国市場に比べ、約30倍の差がある市場です。韓国市場が重要でないというわけではありませんが、あまりに規模の差があるので、日本市場に注目していました。また、品質基準の厳しい日本でまず成功すれば、韓国での成功も容易になると判断したのです。

 さらに日本では、個人情報保護法の制定により、セキュリティが重要課題のひとつになっていました。そこで今後、大きなビジネスが期待できる日本市場に向けた戦略に注力したのです。

--日本企業である富士電機ITソリューションから資本投資を得ているが、その背景と状況が気になるのですが。

全 Poscoに勤務していたときから親密な関係にあった富士電機ITソリューションと、2003年11月に提携を結びました。そこで日本市場への進出の足場を築いた後、2004年5月に3億5000万ウォンずつを両社共同で出資し、製品共同開発契約を結びました。その後、1年間の開発を経て2005年8月に内部セキュリティ製品である「IGM」をリリース。日本市場における販売戦略を本格化しました。

--日本市場で事業を推進するうえで苦労したのは?

全 何よりも品質管理が最大の課題でした。IGMを開発するとき、当初予想した3倍近い費用が必要でした。これは製品の品質を改善するために多くの費用がかかったためです。日本のユーザーが満足する水準に合わせるために試行錯誤しました。現在では、99%の水準で、日本企業と大きな差はないという自信があります。しかし、油断することなく、今後も継続的に品質改善に取り組まなければ日本市場で生き残れないでしょう。

--韓国市場と日本市場は環境が大きく違うと思います。2つの市場を攻略するための差別化戦略はいかがでしょう。

全 韓国、日本、共に、個人情報保護に関心が高まっているのは共通です。日本の場合は個人情報保護法が施行されましたが、韓国ではまだ2年間は猶予中という点が異なるだけです。

 韓国国内もすぐに個人情報保護法が制定されるでしょう。法制度を別にしても、産業機密など内部情報の流出に特に気を使うべき研究所や大手企業を中心に、情報保護に対する要求が増えてくると予想しています。

 しかし、韓国市場と日本市場の特徴や好みの違いなどは十分にマーケティングを行い、製品選択とそれぞれの戦略は個別に進めて行く計画です。たとえば、ログ分析に多くの興味を持っている日本では、「SLM」を中心に事業展開を推進し、遮断や防止に焦点を置く韓国市場では「IGM」で事業を展開するなどの差別化を行う予定です。

ネットワーク先進国である韓国の経験に期待

富士電機ITソリューションの渡辺裕氏 富士電機ITソリューション 常務取締役、渡辺裕氏。

--日本製品に比べ、韓国の製品は信頼が高くないのが事実です。それにも関わらず、韓国企業と資本提携した理由は?

渡辺 確かに韓国製品には、品質に関する課題が残っているのは事実です。しかし韓国は、ネットワークインフラ構築を日本に比べ、2年ほど早く始めています。そのため資産管理とセキュリティ製品などを適用するための環境がすでに構築されておい、この点がSAと提携した最大の理由です。

--韓国製品を日本企業に販売するのに苦労しませんでしたか。

渡辺 初めに韓国製品を販売するときは、技術的な問題はありませんでした。しかし韓国と日本のビジネススタイルが異なり、コミュニケーションの問題、クオリティ認識の差など、文化の差によるギャプが多かったのは事実です。

 また、日本の場合は、ひとつの体系を通じて事業の方向を決定していきますが、その過程で日本企業の要求に対し、韓国企業が対応できない部分が発生し、その部分での苦労が多かったのは事実です。しかし3年間で多くの課題が改善されています。

--韓国製品は、日本企業が求めるカスタマイズの要求に対応しにくいのでは?  パッケージでは限界のあるカスタマイズにどのように対応していますか。

渡辺 カスタマイズをすれば、別のバージョンとして管理しなければならないので作業が増えてしまいます。そこで、できる限り必要な範囲内でのカスタマイズに止め、それ以外の要求に対しては、次のバージョンアップのときに機能を追加したり、オプション機能として提供します。

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